魅上はデスノートが偽物だと気づいたようです。
後編
-30分後・日本捜査本部-(月)
月「三四、鷹野三四はいるかあああ!」
鷹野「あらあら、負け犬みたいな顔してどうしたの、そんなに吼えて……。ところで途中から音声が入らなくなったんだけど……」
あの通信器は、片側からの通信ができない変わりに、他の物への通信を遮断し、ニアの名前が三四に漏れるのを防ぐ物だ……が、そんなことはどうでもいい!
月「何が負け犬だ! お前が余計なことをしなければ!!」
鷹野「じゃあやっぱり負けちゃったのねぇ……くすくす。それに人のせいにして……負け犬……負け虫……いえ、ゴミだわ」
月「ゴミ! だと!!」
鷹野「ええゴミよ、クズだわ。あれだけ自信満々だったのに、ねぇ?」
こ、この女ぁああ!
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鷹野「もう付き合ってられないわぁ、私は上へ言ってるわね……」
月「……」
く、くそう!! なんなんだあの女あああ! あいつのせいでニアが殺せなかったばかりか、やつら全員が僕をキラとして断定したことに……!
まさか三四は、そのためのニアからの刺客……!?
ぼ、僕はなぜその可能性に気づかなかったんだ! ニアが人殺しをしない善良人に見えたからか!? なんなんだ、いったい……!!
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-日本捜査本部の上階-(鷹野)
もう終わりね……夜神月……。自分の作戦が失敗したくらいで他人に当たり、喚きちらし……本当にゴミ……いえ、もう当てることばもないわ。
鷹野「そうだ……電話してあげましょうか」
……。
鷹野「あ、お久しぶりね……。もう殺すことに決めたわよぉ、夜神月……。どうせもう役には立たない……私達の力でニアを殺した方が早いわぁ……。
ねぇ……M……?」
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-日本捜査本部-(月)
くそ……くそ……どうしたらいいんだ!!
?『L』
……通信? ニアからか……。
月「ニア……何ですか……?」
M『違います。……私はMです』
M……鷹野三四……ふざけているのか……!
月「三四……いいかげんにしろよ!」
M『やはりあなたはその勘違いを……。私は鷹野三四ではありません』
月「な……に……?」
M『いえ、今そんなことはどうでもいい……時間がない。鷹野三四があなたを殺そうとしています』
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月「どういう……ことだ……?」
M……鷹野三四ではない……? 僕の勘違いだったというのか……!? そんな、バカな……。いや、だとしても、今三四な上にいるはず……上にはここと繋がる
通信機器はない……。だいたいこの通信は、SPKの方から来ているじゃないか……。そんな……じゃあこいつの言うとおり、Mは三四ではなかった……?
M『時間がありません。鷹野三四の……本名をお教えします。それをあなたの持つノートに書いてください』
月「……!」
三四の……本名……!
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”田無美代子
自分の近くに男が来たのを確認したとき、内蔵が破裂していき、
苦しみながら死亡”
時間がないのは分かっていたが……僕をゴミと言ったあの女、許せるはずがない……。
そして、いつかの日本捜査部のメンバーのように、自宅に帰ってから自殺、などという曖昧なものでは、三四の死が確認できない……。まだ田無美代子というのが
三四の本名というのは、確実なことではないからだ……。
Mに指図されたようで癪に障るが……こればかりは……。
さて……上へ行くか……。
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月「三四」
鷹野「あらぁ? 何かしらぁ、ごm……グフッ!?」
月「どうした? ゴミ」
苦しめ……それが僕を侮辱した罰だ……。
鷹野「あ……がはっ!」
月「!?」
三四が苦しみのあまりか、僕に向かって倒れこんできた。……! しまった、ノートが! もつれこんだ勢いで投げ飛ばしてしまった……!
それに、三四の持つノートも没収しなければ……まだ三四は死んでいない、名前を書かれたら終わりだ……!
鷹野「うぐぐぐ……ぐぅあ……ぁ……」
しかし三四は、そんなことをする暇もないようで……当然か……よろよろと外へ出ようとする。
鷹野「あっ!」
月「!」
次の瞬間、三四は、ベランダから外へ落ちていった。数瞬後、鈍い音が響く。
ここで下手に除きこみ、誰かに見られたら僕が怪しまれるかもしれない……もうあいつは死んだ、間違いない……。
-----
……三四のノート……魅上に渡したノート……。
”夜神”
……名字まで書かれていたか……危なかった。
月「……ん? これだけ死の状況が書いてあるな……」
第2のキラとしての動きは、名前だけを書く……つまり心臓麻痺で行っていた。しかし、それと、さきほどの”夜神”の間に、唯一死の状況が書かれているものがあった。
”園崎魅音 胃に穴が開き、しばらく苦しんだ後死亡”
……よほど恨んだ相手なのだろうか……? ……園崎魅音……魅音……。……!?
月「まさか……M……!?」
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待てよ……さっきのMからの通信、時間がないと仕切りに言っていた……奴にとって、僕が死ぬことなど意味のない……むしろ望むこと……。MはSPKのメンバーなのだから……。
だが、もし自分が殺されると知っていたらどうだ? 当然焦る。僕だって焦った。
月「……」
よく考えろ……。……MはSPKメンバーだ。そして三四も恐らくそうなのだろう。それはそこでしか知りえない情報を持っていたことから間違いない。
……Mはニア以外知らなかった……そして三四のことも……。三四はノートのすり変えを行ったと言った……。2人の顔を知られていないSPKメンバー……。
月「この2人……繋がっていたのか?」
……そうだ、そう考えればしっくりとくる。そして三四はそれを裏切り、MはSPKに残ったんだ!
そうなれば、Mが三四に殺されるかもしれないと予測できたのも当然となり……やはりMは園崎魅音だ!
-----
とはいえ、これは僕の推測……。実際確認してみなくては……。今SPKと通信をするのは危険といえるが……あくまで通信だ、問題ない。それに僕の予想では、
僕に居場所を知られたニア達はもう移動している……つまり通信可能な状態にあるのはMだけ……。そして通信できなければ……Mは園崎魅音で確定、死亡したことになる。
月「……Lです」
M『鷹野三四を殺したんですね?』
……! 生きている! また僕の勘違いだったのか……?
月「はい……」
M『そうですか……』
月「……あなたは何者ですか?」
こいつの持つ空気……Lやニア達とは違うが……するどいものを感じる……迂闊なことは言えない……が……。
M『……何者、ときましたか。……そうですね……判決者、とでも言っておきます』
判決者……だと……?
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月「それはどういう……」
M『! すみませんL。ニア達が来たようです。これはあなたも予想していたかもしれませんが、ニア達はあなたに場所を知られたため、私の所で捜査することになりました』
月「……!」
そんなことを堂々と……いや、言っても言わなくても、僕なら想像が付くだろうと、向こうも読んでいるということか……。
M『最後にこれだけは言っておきます。私はSPKとしてここにいますが、キラ、SPK、どちらの見方でもありません……。私は判決者ですから……』
月「待て! ……切られたか」
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……Mは死んでいなかった……。ならば、園崎魅音というのは死んだのか……? 僕はそいつを知らない、確かめようがないが……。何かひっかかるな。
月「試してみる価値はある……か……」
僕は、三四の残したノートに書き込む。
”弥海砂
最後に最も電話をしたい相手に電話をし、
その電話の最中に、心臓麻痺で死亡”
リューク「最も電話をしたい相手、ねぇ……」
prrrrrrrr
……来た!?
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月「ミサ……」
ミサ「あ、ライトぉ!? やっと電話繋がったよおお」
ミサ……いくらいつも殺したいと思っていても、いざミサが死ぬとなると、さすがに感じるものがあるな。情は移してはならないとあれほど言い聞かせていたが……
一緒にいる期間が長すぎたか……。
月「ミサ、今までありがt」
ミサ「ねぇねぇライト、聞いてよ、この前さぁ!!」
が……我慢しろ……。
ミサ「それでね……」
……。
ミサ「でね、でねぇ!」
いつ……死ぬんだ……?
-----
ミサ「じゃあねえライトぉ」
つーつー
月「……」
リューク「結局2時間近く話してたな」
月「今のは、本当に偶然にかかってきたということ……」
いや……ミサは電話の最初に、”やっと電話が繋がった”と言った……。ずっと電話をかけていたが僕がでずに、また電話をかけたタイミングが偶然にも……。
もう少しましな試し方があったろうに……僕は……。
月「いや……とにかく、分かった」
このノートは偽物……なぜかは分からないが、三四はノートをすり返られたのだろう。僕の名前を書こうとしたことから、本人がそれに気づいていないのは明白……。
となればそれは……Mの下にあるということか?
だが……Mの正体、それは僕には分かっている!
判決者? ふざけるな。そんなものが神である僕と対等であってはいけないんだ。M……お前も殺してやる!
-----
-翌日-(月)
昨日からSPKの通信ばかり……当然といえるが……。すでにレスター、ジェバンニは殺した……。どちらも居場所を送らせたが、両方空振りだった……。リドナーもあと1週間ほどで死ぬ……。だがこの1週間……
その間に僕を見つけられたら……。物的な証拠は確かにない……だが、もはや状況証拠だけでも僕が完全にキラになってしまう……!
やはり殺さなくては……ニアも……そして判決者とか訳の分からないことを抜かすMも!
月「1人は名前……1人は顔……」
ニアは、顔は分かるが名前は分からない……。Mは、名前は分かるが顔が分からない……。なんだ、これは……。
ここのシステム、キラ信者の総力をあげれば……ダメだ、そんなことが出来るのならばとっくにやっている。しらみ潰しに建物の中を探すことくらいならできるが……
ニア達に感ずかれ、すでに調べた建物に潜りこまれるだろう……。
くそ……打つ手が……ない……。
-----
-6日後-(月)
キャスター「アメリカの組織、SPKが、キラをある個人に断定、総力をあげて探しています。これに対しキラ信者達は……」
テレビから流れるはこんなニュースばかり……ニア達も大して打つ手がない、ということだが……。
pr
月「何だ、ミサ」
ミサ「わぁ、ライトがこんなに早く出てくれるなんて……嬉しい! 愛だね」
キラとしての裁きは続けている……が、連日のSPKからの通信のせいで、ストレスが溜まりっぱなしだ……。これならいっそ、ミサの方が何倍もまし……。
ミサ「って、そうじゃなかった、大変だよライト! まただよ、また!」
月「……また?」
ミサ「そうだよ! ”弥海砂、夜神月に伝えろ。明日の午後1時、YB倉庫まで来い。武器を持ってきてはならない。 from判決者” もうホント、何これぇ!?」
月「……!!」
-----
ミサ「r」
月「なんてことだ……」
判決者……これは恐らくMからの……。そしてMは、恐らく三四の持っていた、本物のデスノートを持っており、しかも僕の顔も名前も知っている……。
名前はミサへの手紙に書いてあるし、MはSPKメンバー……SPKの捜査室にいた僕の顔を見ていないということは、まずない……。
そしてYB倉庫……これは……決着を付ける、といいたいのか……?
これには抗えない……だが行けば……SPKに捕まる……。行かなければ……。
M……どちらの見方でもないと言っておきながら……!
だが、僕は……。
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-翌日・YB倉庫-(月)
武器を持ってきてはならない……今は持っているか否か調べることは容易なはず……よってそのことばに従うしかない……。だがノート……これは持ってこざるをえない。
また腕時計に仕組んである。
そしてそこにはすでに、園崎魅と、音の最後の1辺を残すところまで書いてある。そいつと判断できる者が現れたら、即座にペンを滑らせるつもりだ。
しかし……ここにいるのは、Mだけではないだろう。ニア……間違いなくお前もいる。そして、銃を持つリドナーもいるかもしれない。
リューク「ククク……さすがのお前も、もうダメかもなぁ」
月「……」
なぜ僕は否定しない? いや、できないのか……?
ニア「お待ちしていました、L……夜神月……キラ……」
月「!」
-----
月「ニア……」
M「どうも初めまして、L、いや、ライちゃんでいっかなぁ!? 通信以来だねぇ」
ニア「M……」
M「いやぁゴメンゴメン、通信ならなんか気合が入るんだけど、こうやって直接しゃべってるといまいちねぇ」
こいつがM……園崎魅音……! こんな女だったとは……。いや、早く最後の1辺を!
リドナー「動くな!」
背後からリドナーの声、そちらを振り向くことはできないが、恐らく銃をかまえている……。
だがもう遅い……最後の一辺……ペンを少し滑らすだけで書けるんだ……。
-----
あと30秒……。
ニア「キラ……それで、私達に何の用ですか?」
月「……? 呼んだのはそちらでは? ミサの下に手紙が届きましたが……」
M「手紙ぃ? 知らないけど。っていうか、ライちゃんが、”ニア、M、明日YB倉庫まで来い fromキラ”って手紙を出したんじゃない」
月「私はあなた達がどこにいるかを知らない……手紙なんて送れるはずがありません。そもそも通信という手があった」
あと10秒……。しかし、これはどういうことだ……? 判決者、と書いてあっただけで、送り主がMだと考えたのが安直すぎたのか……? いや、だとしても
Mはここにいる……。だが……双方、そのような連絡をするには、通信という手段が最も早く、確実だ……。
-----
M「……まぁ、手紙は送ってない、けど……ライちゃんとニアがここにいるのは、あたしのせいかもね」
……? いや……これはこちらの動きを見たいだけ……反応してはいけない……どちらにしても、あと7秒で……。
M「……ふぅ……。……夜神月、ニア、これを見てください」
……! Mの雰囲気が変わった……! このするどい空気……あのMとの通信で感じたものと同じ……。ならば、やはりこいつはMだ!
僕の前に姿を現したお前の負け……いや、三四が自分の名前を、偽物ではあるがノートに書かれたことを想像できないお前には、姿を現すことにリスクを感じないの
だろうが……残念だったな!
2、1……。
-----
0……!
M「これは、判決者の私が決めたことです……」
し……死なない!? なぜ……だ……!? まさか、こいつは園崎魅音ではないのか……? いや、自分の持っていたノートが偽物だとは疑わなかっただろう三四が
最後に書いた者の名前……それは僕と、園崎魅音……。
リドナー「M、それは……!」
月「……!?」
Mが取り出したのは、ノートの1ページだけを切り取った物……。そしてそれは……。
Nate River ○月×日 YB倉庫に来て、その1時間後に死亡
夜神月 ○月×日 YB倉庫に来て、その1時間後に死亡”
月「まさか……それは……」
ニア「……」
M「そう、デスノートです」
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M「私は判決者……2人の対決の行方を見守り、私が勝者だと感じた方を行き残すつもりだった……でも、2人ともこの3日間、何も動かない……動けない……。
この前の一件で確かに夜神月はキラ、それを言うのにはたくさんの証拠が出た……が、完全なる証拠がない。あの一件も、結局、夜神月がそれの関与を否定したら、証拠にはならない……。
ニアもそれは分かっているのでしょうが……捜査する気さえ見られない。もはや生かしておいても、何も期待できない……」
こいつ……! 僕とニアの、プライドをかけた勝負を……! 判決者……バカにするなよ! だが、もうすぐ僕は……死ぬのか……!? 今はここに来てからどれくらいの時間がたった!?
……? ちょっと待て、なぜノート自体ではなく、切れ端なんだ? 別にそれは大して意味がないように思えるが……。いや……何だ、この違和感……。
M「私がノートに、このようなことを書いたから、あなた方は今日、ここに来た。双方に来た手紙は……ノートの効力でしょうか?」
ニア「M……あなたに3つ、お尋ねしたいことがあります」
ニア……お前ももうすぐ死ぬんだぞ……こんなつまらないことで! なんでそんな冷静で入られる……。いや、僕が落ち着いていないから、ニアが冷静に見えるのか……?
-----
M「何でしょうか?」
二ア「1つ……あなたは判決者と言いながら、この間私を助けた……。なぜですか? それは判決者としてあるまじき行為なのでは」
確かに……Mの邪魔さえなければ僕はニアを……!
M「いえ、逆にあそこで私が助けなければ不平等……2ヶ月前のYB倉庫……あそこで魅上がノートが偽物だと気づいたのは、私がノートで操ったからです。つまり、
一度夜神月を助けた……それだけでは不平等だったので、あなたも助けました」
……そういう……ことか……。
-----
ニア「2つ……なぜあなたは、私の本名を?」
M「さきほど私は、魅上をノートで操ったと言いました。しかし、ノートで操るには様々な制約があり、簡単ではない。そこで私は、当日に魅上に助言をするという形をとった。
つまり、YB倉庫の外で、私は魅上と一緒にいたわけです」
助言をしたのは三四ではなかったのか……。となればノートに魅上の名を書いたのも……。
ニア「そこで私の名を彼から聞いていた……」
M「そういうことです」
……! 早い話、こいつは僕の顔と名前、ニアの顔と名前を知っていて、さらにデスノートも持っていた。つまり結局……僕とニアは、手の平の上で……。
-----
ニア「最後に……なぜあなたがノートを持っているのでしょうか? ノート2冊とも私の管理下……。まさか3冊目のノートとでも?」
おかしなことを聞くな、ニア……。いや、三四とMの繋がりを知らないニアは、そこからの推測ができないということ……。さすがに僕の渡したノートが偽物であるという点は
気づいていると思うが……。
M「私はノートを持っていません……。しかし、鷹野三四……ニアは知らないでしょうが、鷹野三四という女性が、魅上の持っていた本物のノートを持っています。
あなたのところにあるものは、2冊とも偽物です。私は鷹野三四と繋がりがあった……つまり、ノートのページを得るのは容易かったということです」
……!? 待て、待て……何だ? またさっきの違和感が……。
Mはノートは持っていない……そして三四の持っていたノートも偽物……。三四のノートが偽物だったことで、僕はMがノートを持っているのだと考えたが……Mは
ノートは持っていない……。
く……何か1つ情報が欠けている……違和感の正体が掴めない……。
-----
ニア「……キラ……結局私は、Mの言うとおり、確たる証拠を突きつけることができなかった……。私はお前よりもここに来たのが早い……もうすぐ時間ですね……」
リドナー「ニア……」
M「リドナーさん……あなたももうすぐ、亡くなるはずです。いや……私の予想では、あなたは自殺することになる……」
リドナー「何を……! ……? ……ニア、私は急用が……これで失礼します」
リドナー……僕は自殺を指定した……。
そしてニア……ニアが死ぬ……僕が願い続けていたことがようやく起こるのか……。だが、それは僕の手によってではない……しかも、僕ももうすぐ死ぬ……。
-----
月「ニア……もうすぐ死ぬのに、とても落ち着いていますね……」
ニア「……おかしなことを言いますね、キラ。私はキラ捜査を行っていたんです……それはすなわち、常に死と隣合わせの捜査だ……。死ぬ覚悟などとっくにできています。
もっとも、私の死後をたくすつもりだったMに、殺されるなど夢にも思いませんでしたが」
キラ捜査……キラである僕には、死と隣合わせというリスクは存在しなかった……あるのは捕まるということだけ……そしてそれは必ずしも死と直結しない……。
M「ニア……あと5秒です」
ニア「M……私の代わりに、キラ……夜神月の死を、しっかりと見届けてください……」
M「……はい」
ニア「そして……が……ま……」
ニアは、静かに床に倒れこんだ。
-----
次は僕の番……か……。
月「M……僕が死ぬまで、後どれくらいだ?」
M「20分あまり……というところです。この時間は、あなたと話をしたかったので作った時間です」
……20分……もう僕の命はそれだけ……。だがまだ20分……それならば出来ることがある!
僕をこんなめにあわせた張本人……Mを殺すこと! まずは揺さぶりをかけていくことだが……。とりあえずは、さきほどからの違和感を拭わなくてはならない……。
月「M……僕からも聞きたいことがある。なぜお前は、僕に鷹野三四の本名を教えたんだ?」
M「簡単です。あなたが殺されるのと同時に、私も殺される可能性があったからです。また、あなたを殺されては、決着が見れない……。結局、今のような状況に
なってしまいましたが……」
……! となれば、少なくともMは、三四の持っていたノートが本物だと思っていたということ……つまり、やはりMはノートは持っていない。
……そうか、違和感の正体が分かった! 今あるノートは僕の持つもののみで、ニア、M、三四のもとには偽物、または切れ端しかない……ノートが1冊なくなっている!
-----
月「あのノートには、お前……M……園崎魅音の名前が、すでに書かれていた」
M「……」
さっきその名前を書いても死ななかった……だが、僕が思うに、Mが園崎魅音というのは間違いない……違いがあるとすれば、今僕の目の前にいるのが本当のMではない。
それがゆえに動揺しないのだろうが……。
月「だが、あのノートは偽物……試してみたから、間違いない。しかし、それがゆえにお前の名前を知ることができた。そして……今お前の名前を書くこともできる。
もう顔は分かったんだから……」
勿論それはすでにやったこと……だが、とにかく揺さぶりをかけるしかできない……!
-----
M「……あなたはそうやって、幾人の人間を葬ってきたのですね」
もうニアはいない……僕も死ぬ……こいつを殺すためだ、もう何も隠すことなどない……!
月「ああ、そうだ……。僕はキラ……そして、新世界の神だ」
M「そして、もう自分も死ぬというのに、私をなんとかして殺そうとしているのですね……哀れだ」
僕が……哀れ……?
-----
月「誰に向かって、哀れなんてことを言っている……!?」
M「夜神月、あなたです」
月「何を……! ……僕……キラが現れて6年、戦争はなくなり、犯罪は7割減少した……。これは、明らかに神としての、僕の働きがあったからこそ!」
M「……」
月「お前に出来たのか! 僕と同じことが!?」
-----
M「出来ませんよ……そんなこと……」
月「そう、僕にしか出来なかった! ……M……お前が今目の前にしているのはキラだが、新世界の神だ!」
そしてお前は、神に抗った反逆者でしかない!
M「……いいえ……あなたは神などではない。……ただの人殺しです。史上最悪の殺人兵器……デスノートの力に溺れた、クレイジーな大量殺人犯です。ただそれだけの……
何者でもない」
月「違う! 僕はキラ! 神だ! 僕の手によって新世界が創造されるんだ!!」
M「あなたは……」
?「……M、もういいです……十分だ」
月「……?」
-----
月「ニ……ア……?」
ニア「なんでしょう、新世界の神……キラ……」
な……何が起こっているんだ!?
ニア「夜神月……キラ……今のMとの会話、しっかりと録音させていただきました。そしてそれは、すでに警察に送信されています」
ちょ、ちょって待て……これは、何だ……?
月「生きている……? ニア……?」
ニア「はい当然です。さきほどMが見せたもの……あれはただの紙切れです。全て演技だったんです」
……! 演技! だと!! ということは、これは……。
ニア「全て私……いえ、Mの策だったんです。お前に、キラとしての確たる証拠を突きつけるための!」
-----
ニア「夜神月! お前がキラだ!! お前は自白した……言い逃れられるなら、言い逃れてみてください」
月「……う……ぐ……!?」
M「……まずは種明かしをしましょうか、ニア。……そろそろ入ってきてもいいですよ……鷹野三四」
三四だと!?
Mの声を合図とし、以前魅上が覗いていたあのドアから……鷹野三四が現れる……。
鷹野「陽くん……いえ、夜神月……少しだけ久しぶりねぇ」
月「三四……なんで生きている!? お前はあのとき確かに……!」
鷹野「くすくす……Mが種明かしをすると言っているんだから、少し待ちなさい……くすくす」
-----
ニア「私がこの策を知ったのは、夜神月、あなたがリドナーに死神の目を持たせ、私の顔を見せようとしたときです。あのときから私とMは同じ捜査室で捜査をした……」
M「この策の要……それは、1つ、お前がこのYB倉庫に来ること。2つ、私がノートのページを見せて、それを本物だと信じること、でした。2つ目は簡単です、
私と三四の繋がり、お前なら読めていたはずです。ゆえに、私が切れ端を持っていても不思議ではない。また、ニアの演技もありますし」
月「……」
鷹野「そして問題の1つ目……これは、私が体を張ることで実現したわぁ」
体を……そうだ! まず、なんで三四が生きているのかということだ! 訳が分からない……。まさか、あの名前は嘘だったのか!? いや、だが、奴は僕の目の前で……。
-----
M「お前は、私に言われ、自分のノートに鷹野三四の本名を書いた。私の伝えた名前は本当のものです。もし仮に、お前がすでに鷹野三四の本名を知っていた場合、こちらの
策に感ずかれる可能性があったので、嘘の名前を言うことはできませんでした。勿論その場合でも、今まであえて殺していなかった鷹野三四でも、自分が殺されるとなれば、
名前を書いていたでしょう。同じことです」
月「なら、なぜ三四は生きている……!」
鷹野「まだ分からないのぉ……意外と……いえ、本当にバカね」
……何!
鷹野「あなたはSPKに行く前、ノートを隠した……。たぶん、私に知られても問題ないと思ったんでしょう、結構堂々としていたわね……でも、それをすり変えたのよ……」
月「すり変え……!? ……だが、リドナーは間違いなくリュークを見て、取引をしたぞ!」
-----
鷹野「その策、私にはバレバレだったのよぉ? だって、ニアの所へキラ信者を突入させるなんて、あきらかにおかしい……あなたらしくないわぁ。それに気づいたら、
後やることなんて限られている……死神の目ねぇ……。私はリドナーが取引をした後に、すり変えることにしたの。私がMから言われていたことは、私を殺したと思わせるために、
偽物のノートに私の名前を書かせることだったからぁ……。でも一番大変だったのは、やっぱり死にそう、っていう演技ねぇ……。そのために、高いところから落ちないと
いけなかったし……もっとも、私は2つ下の階に逃れたけど……。あなたが下を覗かないのは予想が付いていたしね……。でも、もっとましな殺し方を書いて欲しかったわぁ……」
松田か……お前は……。
M「日本捜査本部は、ほとんど鷹野三四の管理下……隠しカメラはいくつもありました。それであなたがどう書くか見ていたんです。
そして、この策開始の合図を、あなたに盗聴されることも考え、”夜神月を殺す”という旨を電話で私にする、というふうにした。これならば、盗聴されていた場合、
私からの通信はむしろ、信憑性があるものになる」
月「だが、それはなんの意味も……僕がここに来ることと、三四を死んだと思わせる……何の繋がりがあると言うんだ! だいたい、僕は三四が死んだ後も裁きは行っていたんだ!」
ニア「裁き……ですか。では聞きますが、裁きを行い、実際にその人間が死んだのを確認しましたか?」
月「当たり前だ! 日本捜査部のシステムならそれくらい……。ま、まさか!?」
鷹野「さっきMが言ったけど、日本捜査本部は私の支配下……SPK側からデータを改ざんできるようにしておいたわぁ……」
そんなバカな……。じゃあ今僕の腕時計に仕込んであるのも、偽物ということに……だからMは死なずに……。つまり……奴はM……園崎魅音本人……!
-----
M「そしてその、鷹野三四が死ぬことと、今日ここへあなたがくることへの繋がり……。鷹野三四が死に、あなたは鷹野三四の持つノートが偽物だと気づいた……。
あなたはそのとき、何を思いましたか?」
何を……。 ……! そうか……僕はMが本物のを持っていると考えた。そして……。
月「お前が本物のノートを持っていると思い、お前からだと思われる手紙が来たとき、行かなければ殺されると思った……」
鷹野「上出来よぉ、月くん……くすくす。最初はしらばくれていたけど、あの手紙を出したのは、間違いなくMよぉ……。
でもあなたはやっぱりバカ……もっと簡単なことに気づくべきだった……」
M「そう、これには大きな穴があった……それは、私がノートを持っているとすれば、なぜ私自身で鷹野三四を殺さないのか」
月「……!」
言われてみれば、確かにそうだ……。
-----
M「それを考えさせないために、鷹野三四は、私と繋がりがあるのを隠している、という演技をしていた。そうすることで、あなたは逆に、私と鷹野三四との繋がりを
強く意識する。そして、鷹野三四がノートを持っていない、ならばMが持っている、そういう方程式を成り立たせるようにしたんです」
つまり……僕は何もかもコントロールされていたということなのか……。
M「これが私の策……あなたはキラで決まりです……」
確かに、僕は自白してしまった……自分が死ぬという恐怖から、何も考えられなくなっていたのか……。
だが……何だこれは? こうやって追い詰められ、決定付けられ……それが逆に、僕に思考力を取り戻させる。逃げる、という人間の本能に従ったということか……いや、
そんなことはどうでもいい。
これはMとニアの策……それはいい。だが、そうするにはいくつも矛盾点があるじゃないか!
-----
そう、それは例えば……。
月「ちょっと待て……聞きたいことがある。お前達は全員、SPK……三四もだ。だが三四は、第2のキラとして働き、実際に殺しを行っていた! それも同罪じゃないのか!?
それも捜査の一環、などとは言わせないぞ!」
ニア「さっき言ったじゃないですか……改ざんできるようにしたと。あなたは自分が教えるまで、本当にMs.鷹野が日本捜査本部の位置を知らないとお思いですか?」
月「……」
だが矛盾点はそれだけじゃない! こんな回りくどいやり方をしなくても、三四に盗聴器をつければ済む話だったじゃないか! それに、決定的におかしいのは……!
(最初に助言したこと!)
-----
M「そのことですが……ニア……」
ニア「はい?」
M「鷹野三四は、実際に殺しを行っています」
ニア「!」
鷹野「あらぁ……何のことかしらぁ? 私は確かに本物のノートは持っていたけど、罪のない人を殺すなんてできないわぁ……」
M「データの改ざんは行いました。だが、実際にその人達は死んでいる……改ざんではなく真実になっていたんです。そんなこと、少し調べれば分かりました。だいたい、
魅上のことはどうなるんです?」
ニア「魅上……奴は確かに……死んだ……」
-----
鷹野「……」
M「それはニアに疑いの目を向けるため。夜神月がキラなのだから、そんなことをする必要は、全くない。そして、罪のない人間を殺すなんて、もっと必要ないことです」
ニア「……」
鷹野「だから、どうだったいうのぉ? 私は第2のキラ役を演じていただけ……罪のない人間や魅上を殺したのは、そこのゴミじゃないの?」
月「また、ゴミ……だと……!」
M「それはありません。何度も出た話ですが、夜神月は、魅上だけは生かしておかなければならなかったからです」
鷹野「……」
M「夜神月……あなたは大分気が付いているようですね……。ニアは勝利に酔っているのか、気づいていないようですが……」
月「……!」
M「こんな策……本当は起こすつもりではなかった……それもこれも、鷹野三四……あなたが裏切ったからです……」
鷹野「裏切ったぁ? 私はあなたの策を遂行していただけじゃない……夜神月、ニアを殺す策を……!」
月・ニア「!?」
M「あなたの行動は、私にとってイレギュラーすぎる……。これを見てください」
鷹野「?」
-----
”田無美代子 YB倉庫に来てから5分後に死亡”
鷹野「!」
M「夜神月はSPKにくる前、ノートを隠していた……。それは私の尾行する前だ、そのときは知らなかった。でも、そのあと何度か……夜神月は私を別人と勘違いしていたようで、
堂々とそのノートを取り出していました。そこで私は、こういうときのために、そのノートから数ページを拝借しました。数ページ拝借しただけで、取引ができなく
なるはずがない」
な……に……? いや……確かに僕はMを三四と勘違いし、ノートの隠し場所を割りと簡単な、駅のロッカーにした。その鍵を開けるなど、ある程度の技術があれば可能だが、
それは、すでにデスノートを持っている三四からしたら、何の価値もない物だと考えていたからだ……。2人ともに利用されていたとは……。
だが、となればあのページは本物……! 三四は、今後こそ死ぬ……!
M「あなたが入ってきてから時間を計っていました……今は4分40秒です……」
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M「あと3秒……」
鷹野「……」
なんだ……これは……?
M「0!」
鷹野「う……ぐ……あああああ!? ぐあぁ? ああ……あ……あーっはっはっはっは!!」
M「!?」
鷹野「本当にバカね、あなたも……。私はいつでもノートをすり変えることができたのよ? あなたが数ページ拝借した……そのときもすでに偽物だったということよ!」
M「な……では、リドナーの取引は……」
鷹野「あの策は私にバレバレだって言ったでしょう? 本物のノートが必要なときだけ、戻しておいたのよ……」
M「……!?」
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鷹野「そうそう、皆にいいものを見せてあげるわぁ」
M「あなたの”いいもの”、それは絶対にいいものではない……」
鷹野「くすくす、私にとっては、とぉってもいいもの……」
”Nate Rive
夜神
園崎魅”
それは、ここにいる者の名前の、最後の一文字以外が書かれたノート……デスノート!
鷹野「M……やはりあなたはニアの本名を知っていたのね……。私に夜神月にニアの名前を探らせるようにして……。でももう同じこと!
さっきまでの出来事は、外から見ていた! そこでニアの本名も分かった……! あなた達全員の命は私に握られているのよぉ!」
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M「書きなさい……」
鷹野「……!」
M「書けばいいじゃないですか、私の名前を……。あなたはつまり、私を恨んでいるのでしょう? ニアの名前を知っておきながら、それを言わずに、あなたを使っていたことを……。
さぁ、書け、早く書けよぉ!!」
鷹野「いい度胸じゃない、園崎魅音……。じゃあ、お望みどおりあなたから殺してあげるわぁ!」
”園崎魅音”
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M「……35秒くらいですね……」
鷹野「そうね……あなたはもう死ぬのよ!」
やはりMは園崎魅音……!
鷹野「死ねええええええ!」
M「……」
鷹野「……」
月「……何も、起こらない……?」
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M「そう、そのノートは偽物ですから」
……また……偽物……? これまでの話から、今ノートを持っているのは三四だけ……三四が2冊持っているはず。じゃあ一体だれが……!
鷹野「そんなバカな!! だって、確かに……!」
M「貸してください」
鷹野「あ……」
M「だから、こんなことを書いても、何も起こらない」
”田無美代子 1分間血を吐き続け、それでも意識はあるが、さらに30秒たつと、出血多量で死亡”
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M「この1分は、種明かしの時間です……」
鷹野「な……あ、ごええええええええ」
月「……!」
三四は、突然血を吐く。一度ではない、二度、三度と。
M「鷹野三四……私の名前、なんですか?」
鷹野「あ、が……園崎……魅音……」
M「違います。私は、園崎、詩音です」
鷹野「……!?」
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鷹野「バカな!? ごふっ!? あなた達姉妹が入れ替わりをたまに行っているのは知っている……、でもあなたは間違いなく魅音のほう!」
M「そうです、私は園崎魅音……。子供……幼少のときから入れ替わっていた……ね。つまり、私は園崎詩音として生まれ、園崎魅音として育ってきた……
あなたの知る私は、間違いなく園崎魅音です。しかし、それではノートでは殺せない……」
鷹野「そん……な……ぁ……」
M「1分、過ぎました」
三四から、おびただしいほどの血液がほとばしった。
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月「M……お前は……」
ニア「……」
M「はい、そうです、私は、判決者……。今回のことは、全て私が、あなた達を見極めるために行ったことです」
月「だから、僕の中で決定的な矛盾……魅上を操り、ノートが偽物だと気づかせたということか……」
M「はい、そうです。そして2人の勝負の行方……それを見て、私はあなた方の、敗者のみを殺すつもりでした。そして……ここに来る前、あらかじめ示して
あったんです。今度こそ、本物のデスノートに。これは、私が初めてデスノートを手にしたときから持っている切れ端……本物です」
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-翌日・SPK本部-(リューク)
リューク「なぁ、なんで2人とも殺したんだ?」
あの後、ライトもニアも死んだ……こいつが殺したのか。結局、どっちもこいつにとってはクズだったってことか?
魅音「……リューク、まずはこれを見てよ」
”園崎詩音 翌日の午後12時、心臓麻痺で死亡後、雛見沢へ”
リューク「なんだ……お前も死ぬのか……。翌日……これはすでに、昨日書いてたんだな」
死亡後……ねぇ? ククク。
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魅音「12時まではあと少し……あたしが死んだあと、これを見るといいよ。ライちゃんと、ニアの名前を書いたデスノートだよ」
リューク「俺としては、本当はお前にデスノートを使って欲しかったんだけどなぁ。一応、あのライトやニアに勝ったんだ」
魅音「勝ってなんかないよ……あたしは、ただ見ていたかっただけだから……。じゃあリューク、あたしはそろそろ寝るよ……」
リューク「……ああ」
12時を回った……寿命が消えた……。
デスノート、見るか……。
リューク「へぇ、こりゃあ、ははっ、ライトぉ、お前……」
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”Nate River 血をほとばしって死ぬ女を見た10分後に死亡
夜神月 血をほとばしって死ぬ女を見た10分後に死亡し、雛見沢へ”
ライトぉ、あの女の中では、どうやらお前が勝ちだったみたいだぜぇ……。
……まぁ、死の先にあるもの……それは、無、なんだがなぁ……。
完