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一回戦 二回戦 敗者復活戦



    カイジ・夜神月・ルルーシュがライアーゲームに参加するようです。

     二回戦


-二回戦会場前-(月)

ミサ「楽しみだね、ライト!」

リューク「楽しみだねー、ククク」

 ライアーゲーム二回戦……一回戦は楽に勝てたが……二回戦はその勝ち残りの集まり……。
多少は骨のある奴もいるかもしれない……。

月「……ミサ、悪いがここでは別行動にしないか?」

ミサ「え……」

月「これはライアーゲーム……裏で協力関係を結ぶ可能性があると考えると、
   最初から、あからさまに仲間です、というふうじゃあ、後々不利になる。
   勿論、ルールを聞いてそんなことがないと思えば、別行動をやめればいい」

 一回戦ではミサの存在が役にたったが……今回も、上手くいくとは限らない。
そして裏での協力関係……安藤のような者が、そうそうできるとは考えずらい。

 ならば、初めからミサとの繋がりを隠しておけば、同じようなことができるかもしれない。

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ミサ「その別行動をやめるっていう連絡はどうするの……?」

月「メールでもなんでもすればいいだろう。
   もし別行動を続行する場合でも、お互いの情報交換は必要だ。
   それも、同じ方法ですればいい。
   そもそも今日は二回戦のルールを聞きにきただけ……本番は明日だろう?」

ミサ「分かったよ……。じゃあ、これが終わったらすぐに聞かせてよね!」

 まぁ、そこまで気負いする必要はないかもしれないが……準備するに越したことはない。
注意すべきは、限定ジャンケンのときにいた奴が、ここにもいるかもしれないということ……。

ミサ「あれ……ライト、あれ見て!」

月「だから別行動をすると……」

ミサ「ミサにそっくりな子がいるんだって! えと……神崎直、だって!」

月「何……?」

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-同じ頃-(秋山)

直「秋山さん、私どうしたら……!」

秋山「……」

 結局、俺はこの子と一緒に参加するわけか……。

 ……まぁいい。
 どちらにしても同じことだ。

秋山「とりあえず少し落ち着け」

直「あ、すいません……」

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※補足 映画版デスノのミサ、ドラマ版ライアーゲームの直は、どちらも戸田絵梨香さんが演じています。
※注  秋山は原作では、二回戦からの代理参加ですが、ここではすでに参加者ということにします。


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-二回戦会場-(ルルーシュ)

C.C.「クリス・クバート……いつから私はこんな名前になったんだ?」

ルルーシュ「一回戦のときから名前の登録は必要だった……そのとき偽造しただけだ。
       それとも、本名のほうがよかったのか?」

 会場に入る前、ライアーゲームの担当者から、ネームプレートを渡された。
オレはルルーシュ・ランペルージとかかれた物、C.C.は、オレが勝手に作成していた偽名になっていた。

ルルーシュ「とにかく、ここではお前はクリスだ。オレもそう呼ぶ」

C.C.「じゃあ私は童貞ボーヤと呼ぶ」

ルルーシュ「……」

C.C.「冗談だ」

 ライアーゲーム二回戦……どうせ大した敵はいないだろう。

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-30分後・二回戦会場-(月)

レロニラ「では、ライアーゲーム二回戦、”少数決ゲーム”のルールを説明させていただきます。
      このゲームを始めるにあたり、まず皆様に先ほどお渡しした、ネームプレートをご確認ください」

月「……」

 ネームプレート……恐らく一回戦の前に登録した名前が書かれているのだろう……僕は当然、夜神月と書いてある。

 ざっと見たところ、今回の参加者は20人程度……問題は、安藤と古畑の姿が確認できることだ。
仲間がいるとは言ってしまったが……顔までは知らないだろう。金髪くらいは見たかもしれないが、
ミサだけがそうというわけじゃない。

レロニラ「このネームプレートは、勝利したときの賞金と引き換えになるものです。
      無くさないようにお持ちください。ただし、今日配ったものは、サンプルです。
      本物は、明日の二回戦本番にお配りいたします。
      そしてその対戦内容は……多数決の反対、少数決です」

 少数決……少ないほうが有利、ということか。

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-同じ頃-(秋山)

レロニラ「対戦開始時、まずは皆様のうちどなたかに、○か×で答えられる、二者択一のお題を出していただきます。
      そのお題に対し、皆様には○か×の二択で答えていただくことになります。
      それらはこちらで用意した紙に書かれており、それには、皆様のお名前も記載されております。
      皆様は制限時間以内……一つのお題に付き、6時間以内に投票していただきます」

 その投票結果が、少ない方がその題目での勝者……下手をすれば、一回で勝負が決まるってわけか。

直「どうしてこんなことに……一回戦だけでも大変だったのに……二回戦なんて……」

秋山「……参加してしまったからには、なんとしても勝つしかねえ。今はそのことだけを考えろ」

直「はい……」

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※注 ルールがわずかに原作と違う、または省略していますが、ストーリー上は関係ないので無視してください。

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-同じ頃-(ルルーシュ)

レロニラ「そして少数派になった方々は、次の題目へ、多数派だった方々は敗者……
      ネームプレートを置いて退出していただきます。そして敗者は、1億円の負債を負っていただきます」

 また1億……だがそれは問題じゃない……勝つのはこのオレだからな……。

レロニラ「最終的に、一人ないしは二人の方が残った場合、その方が二回戦の勝者となります。
      一人の場合はその方に21億……二人の場合はそれぞれ10億を得ることができます」

C.C.「ギアスはまた使わないのか?」

ルルーシュ「そのつもりではある。勿論、局面で使うこともあるかもしれないが……」

 もっとも、一回戦の様子じゃあ、そんな必要はないがな……。

レロニラ「では、説明を終わらせていただきます。本番は明日ですが、今宵はゆっくりとおくつろぎください」

C.C.「料理……! ピザ……ピザはあるのか!」

ルルーシュ「……」

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-1時間後-(秋山)

直「秋山さん、私はどうしたらいいんですか?」

秋山「……まずは情報収集だ。他の奴ら全員の、このゲームに参加する経緯を調べる」

直「そんなことして何の意味が……」

秋山「勝ちたいんだろ?」

直「あ……はい!」

 まずは人間観察……どいつに注意すべきか知っておく必要がある。
 ただあの子でどこまで引き出せるか……あまり期待はできないが……。

 まぁいい、とりあえず今日はまだ勝負じゃないんだからな。

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直「あの……あなたはなんでこのゲームに参加したんですか?」

月「ん……? あまり人に話せることじゃないよ。
   それより何でそんなことを聞くんだい? それに、君はなんでこのゲームに?」

直「あ、あの……わ、私は騙されて……」

月「そうか……君も大変だね。お互い頑張ろう」

 夜神月……落ち着きを払っているがどこまでが本性か……。
 それなりに注意しておく存在か?

直「あ、秋山さん……私じゃあ上手くやれないです……」

秋山「大丈夫だ、次」

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直「あなたはどうして……」

古畑「俺達はあの夜神月ってやつに騙されて大金を奪われたんだ……」

安藤「仕返ししてやりたいけど、こんなゲームじゃ誰も信用できないし、
    そもそもどうすればいいか分からない……」

直「夜神、月さん……」

---(ここは同じとこで投稿)

ルルーシュ「理由? そうだな……仕方なく、かな。
       君はどうしてこんなゲームに?」

直「私は騙されてしまって……。ありがとうございました」

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直「あなたは……あれ!?」

ミサ「あ、あなたが神埼直? ミサにそっくりだね!」

直「ほ、ほんとですね! すごい……!」

ミサ「直ちゃんは何歳? 私は20歳だよ!」

直「あ、私は18です」

 まったくあの子は……。あれだから騙されやすいんだ。
 あういう相手には一番注意しないといないのに……だが、本当に似ているな。

 これでだいたい把握した……一部の人間に気をつけていさえすれば、
必勝法があるかもしれない……。

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-3時間後・月の家-(月)

月「ミサ、君に準備して欲しいものがある」

ミサ「準備?」

月「ああ」

 僕の考えている策……これを行うにはミサの存在は不可欠だ。
いや、最初はこんな予定じゃなかったが……そのほうが都合がいい。

月「いくつか必要になるが……まずは誓約書だな」

ミサ「誓約書?」

月「ああ。ミサの事務所ならそういう物もあると思ってね」

ミサ「分かったよ!」

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-同じ頃・ルルーシュの家-(ルルーシュ)

C.C.「で、勝算はあるのか?」

ルルーシュ「愚問だな。すぐに浮かんださ……一つの行動がな。
       もっとも、オレがやることと、同じようなことをするやつがいたら、
       そのほうが都合がいいが……今はそうならなかった場合のことを話してやる」

C.C.「?」

ルルーシュ「とりあえずオレの戦略は、グループを作ることだ」

C.C.「ギアスで従わせるのか?」

ルルーシュ「いや……必要ない。それには危険がないとはいえないからな。
       必要なのは契約だよ」

C.C.「どういうことだ?」


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-同じ頃・会場の宿泊施設-(秋山)

秋山「このゲームには、必勝法がある」

直「必勝法!? それってどんな方法ですか!?」

秋山「まず、8人のグループを作る」

 その8人で、投票一回ごとに、○と×を同じ数だけ入れるようにする……つまり、
最初の投票では、○4人、×4人という配分にするということだ。
 そして次の投票では2人ずつ、次では1人ずつ……こうすれば必ずそのグループの人間は残る。

 グループ内ではあらかじめ契約をしておく。これは、契約書を書いて、厳密なものとする。
その契約は、最後まで残った人間は、同じグループの人間に、平等に金を分ける、ということだ。
ただし敗者は一億の負債を負うことになるから、その分敗者は多く貰うように設定する。

直「そっか! それなら絶対に勝てますね!」

秋山「ああ、だから必勝法だ」

 もっとも……懸念事項がないとはいえないが……。

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-翌日・投票一回目開始-(秋山)

レロニラ「最初のお題は、”きのこの山とたけのこの里なら、もちろんたけのこの里だ”
      となりました。では皆様、6時間後に投票をおねがいいたします」

秋山「昨日言ったとおり、最初の投票が始まる前に、グループを作る」

直「はい! じゃあ早速行って来ます!」

秋山「あ、おい!」

 ……ある程度危険人物は絞ったが……あの子にまかせて大丈夫なのか?
……もう遅いか。今はひとまず部屋で待機だ。

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-30分後・廊下-(月)

 さて……そろそろ行動に出るか。

月「ん?」

 ミサ……さっき分かれたばかりなのにもうメール……。
今はそんな場合じゃない……たった6時間しかないんだ……!

月「……! あれは……」

 二人の男がどこかの部屋に入っていく。確か、昨日家に帰らなかった者が、
宿泊できる部屋があったようだが……あれがそうなのか?
 そういえば僕にも部屋があるようだが……。……!

月「……そういうことか」

 その後少しすると、神崎直が同じ部屋に入っていく……。
 ミサ……お前のメールはタイミングがよかった……僕を止めてくれたからね。

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-30分後・秋山の部屋-(ルルーシュ)

直「……ということで、皆さんをここにお呼びしたんです!」

ルルーシュ「そうでしたか……本当にありがたい!
       困っていたんですよ……こんな場所でどうやって戦えばいいか」

秋山「……」

ルルーシュ「よろしくおねがいします」

 ……バカどもが……オレが想定していた理想的な物が出来ているじゃないか……。
オレが考えていた戦略……グループを作るものを、他の奴が実行し、オレもそのグループに入る……。

直「では、この8人で、このゲームを勝ち抜きましょう!」

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-10分後・ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

C.C.「ご機嫌だな、ルルーシュ」

ルルーシュ「そう見えるか?」

C.C.「童貞卒業でもしたか?」

ルルーシュ「……」

C.C.「冗談だ」

ルルーシュ「……まあいい。オレの戦略どおりにことが進んでいる……。
       だが、そうなると時間がないな。手伝ってくれ、クリス」

C.C.「私に命令とは……まあいいだろう。何をすればいいんだ?」

ルルーシュ「……クリス、22人で8人グループを作るとなると、いくつグループが出来ると思う?」

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C.C.「質問を質問で返すな。……8人グループ? それは2つだろう」

ルルーシュ「違うな、間違っているぞクリス。答えは3つだ」

C.C.「何……?」

ルルーシュ「説明は後だ、今は一刻を争う。お前は、お前の部屋に、さっきグループを作ったやつ以外で、
       6人の参加者を集めておけ。このゲームに勝つ方法があると言ってな……」

 秋山といったか……あの男。バカなやつだ……オレが望む状況を作ったんだからな。
 オレはもともと、あの男がとった戦略を取るつもりだったが、もしオレ以外にそれをやる奴がいれば、
そうではない、もっとオレに利益が大きい戦略を考えていた……。

 そして、それを今から行う……。

 オレもC.C.も偽名……それがこんな所で役にたつとはな……。

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-10分後・月の部屋-(月)

 ……しばらく様子を見ることにしたはいいが……もし僕の考えていることを実行するやつがいれば、
僕の思うつぼだ。必ずいると思っていた、グループを作ろうとする人間が。

 そして僕の考えでは……そのグループに入った人間が、それを利用して、
さらに別のグループを作る……一人はそういう奴がいるはずだ。
 その場合僕にも声がかかるはず……。

 もっとも、それがあってもなくても、僕の策は遂行できるが。

ppppp

月「ミサからメール……まさか……」

ミサ『ライトー! 何かね、緑の髪の外国人さんがミサにグループに入れって言ってきたんだ!
    どうしようライト、ミサはライト一筋なのにぃ!!』

月「来た……!」

 そうか……誰か動いたようだな……。

月『いや、入れ。ただしすぐには行くな。追って連絡する』

 返信はこんなところだろう。

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-同じ頃・C.C.の部屋前-(ミサ)

 ライト、了解だよ!

ミサ「あの……すいません、ちょっとお手洗い行ってからでもいいですか?」

C.C.「かまわない。どうせまだメンバーが足りないからな」

ミサ「行ってきます!」

-5分後・トイレ-

ミサ「あ……!」

直「あ」

ミサ「な、直ちゃんもトイレか!」

直「はい。……? あの、大丈夫ですか?」

ミサ「あ、あのね……ちょとお腹が痛くて……」

直「大変!」

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-3時間後・ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

 さて……準備は整った! あとはこんな下らないゲームが終わるのを待つだけ……。

C.C.「ルルーシュ、ピザはないのか?」

ルルーシュ「お前はそれ以外に言うことはないのか……」

C.C.「ふん、人に手伝わせたあげく、何も出さないのか?
    それだからいつまでたっても……」

ルルーシュ「……それ以上言うな……。
       分かった、ピザをデリバリーしてやるから待ってろ」

 この魔女は……。……まあいい、どうせあと何時間かで大金が手に入るんだ。

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-同じ頃・月の部屋-(月)

月「……」

 あの後、予想どおり僕にもグループに入れ、という誘いが来た。
その誘い主は、ルルーシュ・ランページとかいう外国人だった。

 そして、僕とミサは、運よく違うグループに属すことになり……
ミサと連絡を取ることで、策に打ってでたのがルルーシュだということが分かった。
僕とミサ、どちらのグループにも属しているのは奴だけだったからな。

 これでいい……まだ僕も策を取る必要があるが、今は上手くいっている。

 3つのグループを作る策……僕の予想の範囲内とはいえ、ルルーシュ……要注意だ。

 もう一つの気がかりなのは、同じグループに古畑がいること……。
あいつは僕を完全に敵視している……策の妨害はできないだろうが、邪魔だ……。
 そしてミサの方には安藤……こっちはよほど問題ないと思うが……。

月「……まあいい、今はまだ策に出ることはできない……投票を待つだけだ」

リューク「どんな策に出るのか楽しみにしてるぜ」

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-会場・開票-(秋山)

レロニラ「それでは、開票いたします」

直「もう安心ですね、秋山さん!」

秋山「……」

 もし俺の考えている、最悪の事態が起こるのだとすれば……
この投票結果は、10対12になるはず……。
 これが起きないに越したことはないが、注意する必要がある……。

レロニラ「秋山様、×。夜神様、×……」

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-開票終了-(秋山)

レロニラ「開票が終了いたしました。
      結果……○12票、×10票。×が少数派となり、勝ち残りとなります。
      ○に投票された方は、ネームプレートを置き、お帰りください」

秋山「……」

直「私達残りましたね!」

ルルーシュ「そうみたいだな」

参加者A「後は頼んだよ!」

参加者B「ゲームが終わる頃にまた来るからな!」

直「はい!」

秋山「……」

 おかしい……。

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-投票二回目開始-(ルルーシュ)

レロニラ「第二回のお題は”FFとドラクエなら、FF派だ”
      となりました。では皆様、6時間後に投票をおねがいいたします」

 6時間……無駄な時間だな……。オレもピザでも食っているか……?

 オレの戦略……それは、3つのグループを作り、その全てにオレが属すことだ。
確かにC.C.の言うとおり、8人のグループを3つ作るのは、22人では不可能……。
 だが、オレが全てに属することでそれは解決する。

 つまり、1つのグループはオレとそれ以外の7人で構成され、その場合、
オレ以外の人間は21人……そしてオレも入れれば22人となり、3つのグループを作ることが可能になる。

 そして各グループでは、秋山が言っていたように、常に○と×が半々になるように分けておいた。
こうすることで、最終的には、そのグループの誰か一人が必ず残ることになる。

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 しかし、それはオレがこの戦略を取っていることで起こりえなくなった。

 なぜなら、グループが3つ存在する……それはどのグループも勝つには3人残らないといけないということだが、
勝者は2人まで……。いやそもそも、この戦略を取ったオレだけが残るものだからだ。

 どのグループでも、最初の投票は4人ずつ○と×で分かれた、それはつまり、投票結果は12対12にならないとおかしい。
だが実際には、12対10……オレが一人で三人分になっているから、それによる二人分の票がなくなっているからだ。

 それが意味するのは、オレが投票した方が、必ず少数派になる。

ルルーシュ「つまりはオレの勝利……!」

 グループを作る時、勝者は同じグループの人間に金を分配する契約だが……偽名のオレやC.C.には関係ない……!

C.C.「ご満悦のようだが……つめが甘いのが、お前の悪いところだぞ、ルルーシュ」

ルルーシュ「……」

 ……念には念を入れておくか……?

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-1時間後・ルルーシュの部屋-(月)

ルルーシュ「じゃあ、オレと大野さんが○、夜神さんと古畑さんが×ということでいいな」

月「問題ない。よろしくたのむ」

ルルーシュ「よし、解散にしようか」

 ルルーシュ・ランペルージ……いや、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア……。
 ミサによって、こいつが偽名であることはすでに分かっている……。
ということは、確実に3つのグループを作り、その全てに属するという策を取っているはず。
偽名ならば、誓約書を書いても何も効力もないからな。

 さて、そろそろ僕も動くか……。

 ルルーシュ……君はこの二回目の投票で消えるんだ……。

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※補足 大野は数合わせ。一応ライアーゲームに出てる奴です。

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-5分後・古畑の部屋-(月)

月「少しいいか?」

安藤「夜神……月!」

古畑「!? 何の用だ!!」

月「落ち着いてくれ。僕はあなた達と契約するために来たんだ」

安藤「契約!? そんなこと言って、どうせまた裏切るつもりだろう!!」

月「……まずは僕の話を聞いてくれ。このままいけば、あなた達は負ける……いや、
   僕も確実に負けるだろう。それを阻止するための話にきた」

古畑「……!」

安藤「……」

月「まず最初に言うべきことは……僕と古畑さんは同じグループに属し、
   そこで誓約書を書いている。そして安藤さん……
   あなたは、どこかで8人のグループを作ったんじゃないか?」

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古畑「夜神! そのことを言っちゃ意味がないってルルーシュさんが……!
    あ……」

安藤「おい古畑、聞いてないぞグループを作ってるなんて!
    俺もルルーシュさんとクリスさんにすすめられて入ったんだ!」

 やはり互いがあるグループに属していることを話していなかった……。
こいつらは自分の利益だけを考えて、信頼関係なんてものでは結ばれていない……。

月「二人とも、今の自分達の発言をよく考えてみろ。
   そして、ルルーシュと結んだ契約……それは何だ?」

古畑・安藤「グループを作って残った奴が仲間に分配……」

月「そうだ。そのグループは複数あっては成り立たない。
   しかも、ルルーシュ・ランペルージというのは偽名だ。
   つまりあいつは、誓約書に縛られず、しかも一人で勝とうとしている。
   あいつこそが裏切り者だ!」

古畑・安藤「……!」

月「僕と契約してくれ。一回戦のときのような口約束じゃなく、今回は誓約書を用意している」

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安藤「内容次第で考えてやる!」

古畑「あ、安藤……」

月「まずあなた達にしてほしいことを話す。
   まず安藤さんに聞きたい。あなたは次の投票で、○と×、どちらを出すことになった?」

安藤「俺のところはまだ決まってない」

月「そうか……ならば、ルルーシュが出す方と逆の方になってくれ。
   ルルーシュは○を出すはずだから、×の方だ。そして……」

安藤「もういい、契約内容は?」

月「……これだ」

”夜神月(以下甲)の指示に従うならば、契約者(以下乙)は、以下の場合指定の金額を得る。
 甲が勝利した場合。乙は甲から3億円を得る。
 甲が賞金を得られなかった場合、乙の負債となる1億を甲が保証する。”

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月「つまり、僕が勝てば無条件であなた達に3億円を渡す。
   もし僕が金を手にできなかったら、敗者の負債を僕が負ってやるということだ。
   あなた達に損害はない。……僕はすでに名前を書いて拇印もした」

安藤「確かに俺達には不利益はない……」

古畑「だが逆にそれが怪しいじゃないか!」

月「待ってくれ。僕は誓約書を書いた。これを書いた以上、僕はこれに従いざるをえないんだ」

安藤「……分かった」

月「古畑さんもいいか?」

古畑「もう、どうにでもなれ!!」

 よし……後はもう一人……江藤とかいう豹柄にも同じ契約をすれば……。

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※補足 江藤も数合わせ。

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-2時間後・秋山の部屋-(秋山)

ルルーシュ「じゃあ、オレと神埼さんが○、秋山さんと江藤さんが×ということでいいか?」

直「分かりました!」

秋山「ああ」

 もし……次の投票が4対6で終わるようなことがあれば……俺の考えている状況になっていることに……。
ある程度目星はついているが、まだ確定という段階ではない……。
 あの子の話や観察した結果を考えると、怪しい動きをしている奴は、弥、ランペルージ、江藤……
そして夜神月……。

 まだ判断材料が足りない……。あの子と俺の○×は今回違う……
最悪どちらかが残ればいいと言えなくはないが……。

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-会場・開票-(月)

レロニラ「それでは、開票を開始します」

 ルルーシュ……お前は終りだ……!

レロニラ「クリス様、○。弥様、×……」

 僕は今回、安藤、古畑、江藤と契約することで、票のコントロールを行った。
それは、まず三人には、ルルーシュが出す方と逆の票を入れるようにしておく……
つまりグループ内では、×を出すと名言させる。
 この三人にした意味は特にないが、どのグループからも一人ずつ契約者が欲しかった。

レロニラ「神崎様、○。大野様、○……」

 自分のグループ、安藤とミサのグループ、そして江藤や秋山のグループ……。
それぞれの票配分は、投票前ではこうなっているはずだ。

ルルーシュ○ 大野○ 神崎○ クリス○
月× 古畑× 秋山× 江藤× 安藤× ミサ×

 この状態では、僕は多数派……僕の負けになる。

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 しかし! 僕があいつらと契約した内容は、単に×を出せ、というものではなかった。

レロニラ「秋山様、×。江藤様、○……」

秋山「!」

ルルーシュ「……!」

 僕の本当の目的は、ルルーシュにさっきの票配分になると思い込ませること……。
全グループに属し、票を決める立場にある奴はそう思いざるをえない!

レロニラ「夜神様、×。安藤様、○……」

 だが実際には……僕が×を出すように名言させた奴らは、○を出す……。
そういう契約……つまり……。

ルルーシュ○ 大野○ 古畑○ 神崎○ クリス○ 江藤○ 安藤○
月× 秋山× ミサ×

 こういう状況になる!

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 本来、さらにもう一人契約したいところだったが、それでは……。

レロニラ「古畑様、○、ランペルージ様、×。以上です」

 それでは僕の策が……。……? 今あの仮面の男は何と言った……?

レロニラ「開票が終了いたしました。
      結果……○6票、×4票。×が少数派となり、勝ち残りとなります。
      ○に投票された方は、ネームプレートを置き、お帰りください」

月「な……!」

 何……!? 何が起こっている、これは……!

 ルルーシュは○のはず……そしてここで消えるはず……!!

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-同じ頃-(ルルーシュ)

C.C.「私は敗北か……。……なぜ予定と違う票に入れた?」

ルルーシュ「お前、言っただろう。オレはつめが甘いと。それと……予感がした……」

C.C.「予感?」

ルルーシュ「ああ。いや、予感というよりは、自分の戦略が読まれている場合、
       どういう行動を取るべきか、という話だが……」

C.C.「……まあいい。私は部屋にいる」

 オレの行動が読まれていた場合、ここは一旦C.C.と違う票に入れて、
オレとC.C.どちらかを生かす……。
 こういう場合、敵がやってくることは、票の操作だかなら……。

 一度敵の読みをはずさせることによって、事態は振り出しに戻る……。
もっとも、オレの戦略も使えなくなったが。

 ……あとは、誰がこれをしかけたか……さっき予定と違う票を入れたのは3人……。
こいつらから洗っていくしかないな……。

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-翌日・投票三回目開始-(秋山)

レロニラ「第三回のお題は”SかMならば、自分はSだ”
      となりました。では皆様、6時間後に投票をおねがいいたします」

 予想どおりの4対6……だったが、今回は余計におかしい……。

 まず、前から感じていた違和感は、負け際の参加者の態度……。
普通1億の負債を背負うとなれば、もっと感情をあらわにするはず……。

 これを見て俺は、他にもグループがある、という可能性を考えていた。

 しかしここに来て、予定と違う票の配分……。

 ランペルージは○に入れると言っていたが、今回は×に入れた……。
しかもそちらが少数派だ。
 ランペルージは怪しいと思っていたが、ここで予定と違う票に入れる意味……
そして勝ち残ったランペルージ……。

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 しかし、この時点でランペルージ以外この方法を取ることはできない。
なぜなら、俺達のグループで残っているのは俺と奴だけだからだ。
 つまり、あいつがグループを複数作った……。

 そして、今回票を変えたのは、何か異変に気づいたため……。

 そうなってくると、おかしな動きをしていたのは江藤だ。

 あいつが夜神月と一緒に部屋に入るのを偶然見た……あそこで何があったのか。

直「秋山さん」

秋山「まだいたのか」

直「はい、最後まで見てます」

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-5分後・秋山の部屋-(秋山)

 ランペルージに注意することはいい……そして何か企てていた夜神月……。

 だが一番不気味なのは弥だ。

直「あ、秋山さん、誰か来たみたいですよ」

秋山「……」

 誰だ……まさか夜神月か……?

月「こんにちは、秋山さん、神崎さん」

秋山「……ああ」

 こいつが来たということは……俺に何か持ちかけにきたということ……。

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秋山「何の用だ?」

月「単刀直入に言う。僕と協力しないか?」

 やはりそうか……。

秋山「協力?」

月「そうだ。今残っているのは四人……ということは、二人での勝利はなくなった。
   誰か一人……一人しか勝者はいないということだ」

秋山「そうだな」

 こいつのいいたいことは恐らく……二人で別々の票に入れること……。

月「そこで、僕と契約しないか? 契約書は作ってきて、僕はサイン済みだ。
   内容は、僕達二人が、これからの投票でそれぞれ違う票を入れることだ」

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秋山「……」

月「二人で組んで、それぞれが違う票に入れれば、最低でもどちらか一方は勝てる。
   そして勝った方は、もう一人に金を分ける。
   ……秋山さんも気づいているんだろう、このゲームに、グループが複数存在していることを。
   そしてその首謀者は……」

秋山「ランペルージ……」

 夜神は怪しい動きはあったが、目立った動きは今のところない……そして冷静だ。

月「そう。それに、あの名前は偽名の可能性が高い」

 ここで偽名……夜神はさっき契約書を出した……それが偽名だということを疑っていてが、
このタイミングでそれを言うとなると、その可能性は薄い……。

秋山「……分かった、契約を結ぼう」

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月「ありがとう。
   配当のことだけど、秋山さんもルルーシュ達とグループを組んでいたのなら、
   同じグループの奴に金を払わないといけないはず。
   それがだいたい、一人2億7000万円だから、ルルーシュ以外の6人で16億2000万。
   賞金が21億だからそこから引いて残りが4億8000円。
   それと敗者は1億の負債を負うことになるということを考えると……」

秋山「残った方が、18億1000万、負けた方が2億9000万円……。
    一人1億9000万の配当ということになる」

月「そうだな」

 ……夜神が俺を裏切り、違う票にいれたとしたら、俺も夜神も負ける可能性が出てしまう。
それは夜神にとって、ある場合を除いては避けるべきこと……。
 そこに注意しておけば、今は信用していいだろう。

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-10分後・月の部屋-(月)

月「よし……これで秋山が何を出すか操作できるようになった……」

リューク「でもいいのか? お前は勝っても負けても、エトーとかアンドーとかに、
      金を払わないといけないんだろ? あの儲けじゃあぜんぜん足りないぞ」

月「それくらい分かってるよ、リューク」

リューク「でもあれだけあったらリンゴいくつ食えるんだろ……」

 そう、そんなことは分かっているさ、リューク……。
 僕の策がこれだけのはずがないだろ?

 後は形だけの、グループ内での評決めだが……
だれも素直に、そこで言った票など出さないだろうな。

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-会場・開票-(秋山)

レロニラ「読み上げます。ランペルージ様、×、弥様、○……」

 これは……。

レロニラ「開票が終了いたしました。
      結果……○2票、×2票。票数が同じになったため、
      このゲームはノーカウントとなります」

 夜神は宣言どおりの×、そして俺も同じく○……。
 これに関しては信用していいということになる……が……。

 次の6時間……どう動くか……。

 いや、やるべきことは決まっている……!

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-第四回投票開始-(ルルーシュ)

レロニラ「第四回のお題は”ハートかソウルならば、自分はハートだ”となりました。
      では皆様、6時間後に投票をおねがいいたします」

 結果は同点……予定どおりということか。
 夜神の予想では、秋山はこの同点によって、夜神は秋山を裏切らない、
ということをアピールできたと言っていたが……果たしてどうなんだ?

 いや……そんなことは関係ない……夜神のおかげで、全ての賞金はオレが手に出来るんだからな!

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-4時間前・ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

ルルーシュ「オレと協力、か」

月「そうだ」

 オレの戦略を見抜き、オレを陥れようとしたと言う夜神月……。
 わざわざそんなことを暴露するということは、逆にオレの信用を得ようとしていると考えられる……。

 しかも、オレが偽名だとも言ってのけた……。

月「それと、先に言っておく。僕は、これと同じような契約を、秋山とも結んでいる」

ルルーシュ「……ほう、そんなことを言っていいのか?」

月「これを言わなくては、わざわざ君と協力しようとは言い出さないよ」

 なかなか面白いことを言ってくれる……。

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月「僕は秋山に、別々の票を入れるというものを提案することで、
   秋山の出す票をコントロールしたかったんだ。
   これは二人で話し合って票を決めるんだから、相手の票がわかるのは当然だ」

ルルーシュ「無論だな」

月「そしてルルーシュ。君は偽名を使っているから、君が勝ったとしても、
   同じグループの者に配当を支払う義務が生じない。
   ということは、結果的にルルーシュと協力すれば、僕の取り分も多くなる」

ルルーシュ「ふん……それでオレと協力か……。つまり契約内容は、残ったほうが、
       残らなかった方に、賞金の半額を出す、ということでいいんだな?」

月「そうだ。この策を使うと、勝つのは必然的に君になる。僕は本名で誓約書を書いたから、
   君と違って配当を支払わないといけないからね。
   さっき秋山と話した結果、僕が×を出し、秋山が○を出すことになった。
   それと、あと一人いる弥海砂という女は、君から○を出すように言ってくれ。
   あの女は、たぶん今の事態に気づいていない……となると、
   まだ君のことをグループの仲間だと思っているはずだ」

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ルルーシュ「それだと、オレは×を出すことになるのか?」

 それでは同点……何の意味が……。
 いや……これは秋山に向けてのポーズ……!

月「そう。まず一度、次の投票をあいこにする」

ルルーシュ「そして秋山からの信用を得る……」

月「そうだ。そして四回目の投票で……君の勝ちになるように調整すればいい」 

ルルーシュ「……分かった。結ぶぞ、その契約!」

月「ありがとう」

ルルーシュ「ああ、それと……」

月「ん?」

ルルーシュ「”勝負が終わった後、オレからの配当の受け取りは拒否し、全てオレによこせ”」

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-時間軸戻る-(ルルーシュ)

 あいつにはギアスをかけた……これでオレが勝者になり、かつ夜神に配当を払わずにすむ……。

 夜神はかなりオレに対して深入りしてきた……そんなやつが、
オレを監視している人間であるはずがない。

 そして、もっと大きな行動をさせるようなギアスではなく、あの程度のものならば、問題ないだろう。
これは金のやりとりをするゲームだから、目立たない。

 後は、次の票を決めるだけ……!

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-1時間後-(ルルーシュ)

月「秋山とは、互いに常に同じ票に入れるように言ってある……。
   つまり、僕は×で、秋山は○を出すことになっている」

ルルーシュ「……そこで、月が×ではなく○を出し、弥海砂にも○を出させるようにする……」

月「そう、そして唯一の×が……」

ルルーシュ「……よし……じゃあ、互いの勝利を信じている」

月「ああ」

 ……バカが!

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-同じ頃・秋山の部屋-(秋山)

直「秋山さん!」

秋山「……どうだった? 金を払えばすぐに吐いただろう?」

直「はい、ちょっと心が痛みますけど……」

秋山「……」

直「えと、江藤さんは、夜神月さんと契約をしているそうです。
   グループで決めた票と違う方に入れるっていう……。
   あと、他にも契約者がいるみたいな話をしていた、とも言っていました」

 その方法ならば、結果的に失敗したとはいえ、ランペルージを押し出すことが出来たというわけか……。

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 だが気になるのは……契約数……。俺以外にも数人……しかもかなりの大金をかけている。
夜神月は、どうやってこの契約をさばく気でいるんだ……?
 俺との契約で得られる金額では、とても足りない……。

秋山「……! そうか、そういうことか。
    君、君のおかげでなんとか……いや、こうなったのは君のせいと言うべきか……?」

直「え? どういうことですか、秋山さん!?」

秋山「君が言っていた、弥からの奇妙な頼まれごとの話だよ。ここまで考えていたとはな」

直「それって……でも、それとこれと、何の関係が……?」

秋山「とにかく見ていてくれ……」

 こうなった以上、俺が勝つことはもう難しい……ならば……。

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-会場・第四回開票-(月)

レロニラ「開票を始めます」

 やっと終わる……ここまで十分に準備してきた……そして僕の勝ちで終わる……。
 票は全て僕がコントロールできる状態にあるんだからな……!

秋山「さて……どうなっているか」

ルルーシュ「……」

月「……とにかく、結果を見ようじゃないか」

ミサ「……」

レロニラ「弥様、×、夜神様、○……」

ルルーシュ「!」

 そう……お前にとっては、この票の入り方は予定と違うもの……だが、僕に取っては計画どおり!

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 僕の策は……ここに最初に来たときから始まっていた。
 偶然が僕を味方し……この策を取ることが出来たんだ。

 まさかミサにそっくりな……。

レロニラ「秋山様、×。ランペルージ様、×。
      結果、○1票、×3票となり、○が少数派となりました。
      勝者、夜神月様」

 ……。

ルルーシュ「……負けたよ、月。おめでとう」

秋山「おめでとう」

 ……。

月「……レロニラさん、今、何と?」

レロニラ「あなたが少数派となり、このゲームの勝者となりました。
      おめでとうございます。賞金は、後ほど別室にてお渡しいたします」

 ……何……だと……!?

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 僕の勝ち…手勝ち……!? いったい何が起こっているんだ、これは!?

 ……!

月「お前ら、何をした!?」

ルルーシュ「くくく……あーはっはっは! バカめ、夜神月!」

月「……!?」

秋山「組んでたんだよ、俺達」

月「な……に……!?」

 どういうことだ……いつのまに……いや、その必要性などなかったはず……!

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 僕の策……僕の策では、勝つのはミサだった……!
 初めからそのつもりで策を作り、僕が勝つわけじゃないから、
僕が勝ったときの内容でたくさんの契約を交わし、契約者のどちらも勝たず、
その契約は意味のないものにするはずだった……!

 最初……そう、ゲーム開始初日にルルーシュからグループを作るとミサが言われたとき、
僕は最も重要な策に打ってでた。
 正直、こんな単純な策で、しかももろはの剣……だが、僕自身には影響はない策。

 ミサと、神崎直をすりかえる。

 僕がゲーム開始の前日、彼女を見た時に思いついた策……。
 そこで僕は、ミサに誓約書と同じく、金髪で長髪の、カツラを用意させた。
それを神崎直につけさせ、服を変えれば、ミサと区別は付かない。

 強烈な印象を残す金髪だからこそ、すり替わっているなどとは普通考えられない。

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 そのために重要だったのが、ミサの役割だった。
 僕はあのとき(※ ミサがトイレ行ったとき >>537)ミサに指示していた。

 大事な契約に行かなくてはならないのに、自分は調子が悪くていけない。
今だけでいいから、代わりに行ってくれないか、と、神崎に言うことを。
 契約時、神崎直が弥海砂と書き拇印しても、何の効力もないからな。

 ミサと神埼は、自分達がよく似ていることから、割とすぐに打ち解けていた。
本当なら金を渡して口封じをしたかったが、ミサによるとそれは断られたという。

 これが誰かに漏れるのは厄介だったが、僕とミサの繋がりが露呈していない以上、
それは僕には関係ないことだった。ただ策を変えるだけのこと。
 しかし、神崎と繋がりが強いと思われる秋山からは、その様子は確認できず……。
結局僕は、自分の最初の策を実行することにした。

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 そして僕は、秋山とルルーシュと契約することにより、票のコントロールを行う……。
契約内容はどちらかが勝った場合のみに有効だから、その額は関係なかった。

 勝たせるのはミサ……そう、僕は最初から自分が勝つことなど考えていなかった、
勝ってはいけなかったんだ!

 だからこそ、安藤達で票をコントロールしたとき、あと一人契約をせず、
僕とミサ以外にもう一人残るようにした……。

 二人になってしまっては、二人が勝者……。そうなると、僕は配当を払う必要が出てしまう。

 だが、この結果は何だ……!? 組んでいた……だと!

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秋山「じゃあ、すぐに賞金を貰いにいってくれ、夜神。お前は自分のグループの人間や、
    俺達契約書に金を払わないといけないんだからなぁ。
    俺は2億9000万円だったな」

ルルーシュ「オレは10億5000万円だ。お前はバカだな月……オレとの契約でも、
       ”勝った方が負けた方に”という旨で誓約書を書いたなんて……。
       オレが勝つという戦略だったんだから、オレからの一方通行にしておくべきだったな。
       もっとも、それがあったからこそオレは秋山と組んだ」

安藤・古畑・江藤「3億ぷりず」

 何だこれは……!

月「だが、何で気づいた……僕の策に……!」

ルルーシュ「ふ……話してやろう」

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-2時間前-(ルルーシュ)

秋山「ランペルージ」

ルルーシュ「秋山……と言ったか。何だ?」

 ……あまり接触したくない相手ではあるが……しょうがない。ここは何もせず、待てばいい……。

秋山「お前、夜神月と組んでいるな?」

 ……! 落ち着け、ここはまだ……。

ルルーシュ「何のことだ?」

秋山「いや……このままでは俺とお前は、金を失うことになる。夜神月によってな」

ルルーシュ「……」

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秋山「俺は調べた、夜神月のここでの行動を。奴は俺やお前を始め、何人かと契約し、
    票をコントロールしていた。そしてその契約額は、奴が勝った場合、とうてい払えるものじゃない」

ルルーシュ「……」

 何を言っているんだ、こいつは……。

秋山「あいつは、勝つ気がない」

ルルーシュ「どういう意味だ」

秋山「……別の話をしよう。神崎直と、弥海砂は知っているな?」

 ……。

ルルーシュ「ああ。あのそっくりな……」

秋山「神崎直の話では、最初のグループで契約をしたとき、あいつは弥の代わりに変装して、
    弥の契約を交わしたらしい。ということは……」

ルルーシュ「弥の契約は無効……!」

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ルルーシュ「だが、それと夜神と何の関係が……。……! 待て、そうか……。
       票のコントロール……!」

秋山「そう、夜神は勝つ気はなく、しかし票のコントロールが出来る……。
    これは、その気になれば誰でも勝たせることができるということ」

ルルーシュ「つまり、夜神月と弥海砂は繋がっている!」

 待て……これは……。
 オレが夜神にかけたギアスは、”勝負が終わった後、オレからの配当の受け取りは拒否し、全てオレによこせ”
だった。これは、オレが勝たなくては成り立たないギアス……。

 ならばいっそ……。こいつがここに来た理由など知れている……!

ルルーシュ「それで、お前は何がいいたい?」

秋山「……オレと組まないか?」

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秋山「オレと組み、夜神を勝たせるように票をコントロールする……。
    夜神が勝った場合の配当は、そっちもあるんだろ? だから、成功した場合、
    この間で金のやりとりはしない。
    もし失敗しても、俺がお前が得るはずだった金額……恐らく10億5000万円か、
    それを支払う。そういう契約だ」

ルルーシュ「……いいだろう。票のコントロール……。
       お前は確か、○を出す予定だったな? ということは……」

秋山「待て、俺が出す予定だったのは×だ。……そうか、そこに嘘が必要だった……。
    もし俺が○を出すといえば、ランペルージが勝つには、×を出さないといけない。
    こうなると、すでに○と×に一人ずついることになり、弥だけ一人にさせることが不可能。
    そこで嘘をつき……俺とお前が同じ票……×に入れさせる」

 となると、ずっと同じ票を入れるのではなく、交互に入れる……または、
常に話し合って決めるということだったか……。夜神……。

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秋山「……この時点で、俺とお前が×になっていた。ということは、夜神も×に入れ、
    弥が○……そして弥が勝利となる。だから……」

ルルーシュ「オレ達が二人とも、○に入れる」

秋山「そうすれば、夜神月の勝ちになり……契約した金を手に入れることが出来る。
    夜神は賞金を得るが、それでは絶対に払いきれない……」

ルルーシュ「ゲームに勝って勝負に負けるというやつだな」

秋山「……」

 夜神……お前にギアスをかけてしまったことが本当に悔やまれる……。
 オレをこけにした落とし前をつけられないんだからな……!

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-時間軸戻る-(月)

 くそ……やはり神崎は秋山に話していたのか……!
 だが、そこから僕とミサの繋がりを見抜くなんて……!!

秋山「お前が一回戦でどれだけ稼いだかは知らないが……ここでの負債は、
    賞金21億を引いて17億6000万円だ」

ルルーシュ「限定ジャンケンでそこまで稼ぐのは無理だっただろう……。
       残念だな、夜神」

月「く、くそおおおおおおおおお!!」

レロニラ「夜神様」

月「な、何だ!」

レロニラ「あなたは膨大な負債をかかえられるようですが、三回戦出場の権利があります。
      どうされますか?」

 三回戦……! それしかない……!

月「出るに、決まっているだろう!」

-ライアーゲーム二回戦・少数決ゲーム 完-


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