TOP

一回戦 二回戦 敗者復活戦



    カイジ・夜神月・ルルーシュがライアーゲームに参加するようです。

     敗者復活戦


-敗者復活戦会場-(カイジ)

レロニラ「ではライアーゲーム敗者復活戦……”双六ゲーム”の説明をいたします」

 何……? 今何て言いやがったあの仮面……!
 双六だとっ……!?

レロニラ「このゲームは、この敗者復活戦に望むあなたがた、七名が駒となり、
      進んでいくゲームです」

 双六っていやぁ、あのサイコロを転がして進んでくあれだよな……?
あんな完全に運否天賦のゲームをしろってのかっ……!?

レロニラ「まず言っておくことは、この双六ゲームでは、サイコロは使用しません。
      そして、ゴールも存在しません」

 ……は?

-----

※補足
カイジは一回戦、この後登場するルルーシュ、秋山は二回戦で敗退し、
敗者復活戦に望むという設定。

レロニラ……ライアーゲームのディーラー

-----

-時間・場所など-(主観の人物) で進行。書き溜めあり。

-----

-同じ頃-(ルルーシュ)

レロニラ「あるのはまず、この16個の正方形が順に描かれた床……
      これが、双六でいうところのマス目です。それぞれ0〜15の数字が書かれています」

 スゴロク……あまり知らないゲームだが、ここでは変則的なルールを使うのだろう……。
どちらにしろ、オレはここで勝って、三回戦にあがる……そしてまた利益を……!

レロニラ「そして皆様には、サイコロの代わりにこのカードを使って、
      その16マスを進んでいただきます」

 カード……一回戦を思い出すが、それとは違うようだ……。

C.C.「スゴロクとは何だ、ルルーシュ。新手のピザか?」

ルルーシュ「あの仮面の男の話を聞いていろ」

-----

-同じ頃-(秋山)

レロニラ「カードには二種類あり、”移”と書かれたもの、”攻”と書かれたものがあります。
      ”移”の方は、皆様が移動に使うカードです。”攻”は、他の方を攻撃するためのもの。
      どちらも0〜5の数字が書かれています」

 つまり移動しながら他の奴に攻撃する……何かの奪い合いか、ライフの削り合いか……。

レロニラ「ここまで説明した上で、こちらをご覧ください。
      ゲームの全容を把握していただくためのデモンストレーションでございます」

直「秋山さん……」

秋山「君は付いて来ることなかったのに……」

直「でも……」

秋山「……来てしまったものは、やるしかない」

直「あ……はい!」

-----

-双六ゲーム・ルール説明-

・マスは0〜15の16マス
・サイコロはなく、代わりにカードで歩を進める

・カードは二種類。”移”と”攻”があり、移動と攻撃を行う
・どちらも、0〜5と書かれたカードが1枚ずつある。つまり計6枚
・”移”カードは、今いるマスからその数だけ進む。サイコロの代わりのカード
・”攻”カードは、今いるマスからその数進めたマスにいる相手を攻撃する

・攻撃とは、相手のポイントを奪うことであり、最初全員8ポイント持っている
・攻撃を受けてしまった人は、攻撃した人に自分のポイントを渡す

・最終的に、0ポイントになった人が敗者。6億の負債を負う
・一人敗者が出た時点でゲーム終了。残りの六人は三回戦進出

-----

-双六ゲーム・ルール説明2-

・カードを出すときは、その度に1時間設ける。その1時間とカード提出のスパンを、”ターン”と呼ぶ
・6ターン経過、つまり全てカードを使い切るまでのスパンを”セット”と呼ぶ
・1セット終わるごとに、全員にカードが配りなおされる

・1セット目は、攻撃が成立した場合、そのやりとりは1ポイント
・2セット目は2ポイント、3セット目は3と、セットが増えるたびにポイントも増える

レロニラ「ルールはこのようになっております。質問がある方は、
      書き込みをおねがいいたします。

      なおこのゲームの参加者は、カイジ様、ランペルージ様、クリス様、
      秋山様、神崎様、大野様、江藤様の七名です」

※補足
 クリスとはC.C.のこと。ライアーゲーム参加のために使った偽名。
 大野と江藤は数合わせのモブ。

-----

-説明後-(カイジ)

レロニラ「ルール説明は以上です。質問のある方はいらっしゃいますか?」

 なるほど……双六といいつつ、一応完全には運否天賦じゃねえってことか……。
だが、どうしたらいい……!

レロニラ「いらっしゃらないようなので、ただいまより敗者復活戦を始めます。
      今から一時間後、1セット目の1ターン目のカードを出していただきます。
      カードが出揃ったら、こちらでボックスの中に入れ、ランダムに読み上げていきます。
      カードはそれぞれに皆様のお名前が書かれておりますので、判断できるようになっております。
      それと……」

カイジ「……?」

レロニラ「一つだけ注意点を。……カードは絶対になくさないでください。
      カードを提示できない状態になれば、その時点で失格となります」

 そんなこと……分かっているっ……!

-----

-10分後・カイジの部屋-(カイジ)

 なるほど……ここが俺の部屋か。ターンごとにどこで時間を潰すのかと思っていたが、準備のいいことだ。
しかし、一時間……この一時間で何ができる……!?

 確かにこれは、単なる双六と違って、自分で出す目が決められる分、運だけが全てじゃねぇ。
だが、結局それは他の奴らも同じことなんだから、やはり運の要素だってあるんじゃねえか……?

カイジ「! 誰だ」

 戸が叩かれる音。誰か来たのか?

カイジ「お前……!」

ルルーシュ「まさかまた会うことになるとはな……カイジ。一回戦では助かったよ」

カイジ「くそ……どの面さげてきやがった!」

ルルーシュ「そう邪険にするな。オレはお前と組むために来たんだ」

-----

カイジ「バカが! 誰がお前と組むか! 一回戦でオレを騙し、ここでもそうするつもりかっ!!」

ルルーシュ「そうか、それは残念だ。……後悔するなよ?」

カイジ「うるせえ! 消えろ!!」

 何であの外国人……ルルーシュとか言ったか、あいつまでいるんだ……。

 とにかく……今は1ターン目に出すカードを決めるっ……それに集中だ……!
移動のカードと攻撃のカード……こいつらをどう使えばいい……?

 ……最初は様子見で、間くらいの数字を出すか……?

-----

※補足 
 カイジは一回戦でルルーシュに騙されたという設定。

-----

-50分後・1ターン目、カード提出-(カイジ)

レロニラ「出揃ったようですので、これより発表いたします」

 俺が出したのは、結局中間的な数字の2……移動も攻撃も2……!

他の奴も俺と同じような考えで、移動カードの2を出してくるかもしれない、そうなれば攻撃が通る。
だが、そいつらも攻撃カードの2を出してたら、俺も攻撃を受けることになるが……。

レロニラ「では、まず移動のカードを読み上げます。
      神埼様、0。ランペルージ様、0……」

 まずは移動……攻撃は当然後に読み上げることになるのか……。

レロニラ「……江藤様、0。カイジ様、2となりました。
      では、続いて攻撃のカードを読み上げます」

-----

レロニラ「ランペルージ様、1。カイジ様、2……」

 移動のカードは、俺以外全員0だった……。最初は様子見で動かない方がよかったということか……?
いや、しかし……。
 ……とにかく大事なのは攻撃のカード……! オレの攻撃があたることはないが、
何人からの攻撃を受けるのかっ……!

レロニラ「神崎様、4。クリス様、2……」

 攻撃のカードが2……! つまり2マス目に攻撃……オレのマスに攻撃……!
1ターン目からポイントを奪われた……こっちは奪えなかったのにっ……!

レロニラ「秋山様、3。江藤様、5。大野様、4、となりました。
      攻撃が成立したのは、クリス様の攻撃です。攻撃を受けたのはカイジ様。
      よって、クリス様のポイントは9、カイジ様は7となりました」

-----

-1セット目、1ターン目・結果-

・出した移動カード
 カイジ:2 直:0 秋山:0 ルル:0 C.C.:0 大野:0 江藤:0

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:0→2  直:0→0 秋山:0→0
 ルル:0→0   C.C.:0→0 大野:0→0 江藤:0→0

・出した攻撃カード
 カイジ:2 直:4 秋山:3 ルル:1 C.C.:2 大野:4 江藤:5

・攻撃したマス
 カイジ、C.C. …… 2  直  …… 4
 秋山     …… 3  ルル …… 1
 大野     …… 4  江藤 …… 5

・手持ちポイント
 カイジ:7ポイント C.C.:9ポイント
 他は全員8ポイント

-----

-2ターン目開始・カイジの部屋-

カイジ「……」

 1ターン目は俺が負けた……。あのクリスとかいうわけの分からない女に……。
あいつも外国人か……? つくずく外国人に運がねぇっ……!

カイジ「……!」

 そうだ、忘れてた……俺はあいつに仕返しをしないといけない……!
ルルーシュ……俺を騙したあの男に、一泡吹かせる……そして落とす……!!

 このゲームの敗者はたった一人……あいつを落とすには、どうしたらいい……。

-----
※注 カイジはルルとC.C.の繋がりを知らない

-----

 ……あいつの出すカードを予測するしかねえ……!

 さっきあいつが出したのは0……あいつがいるのは0マス目……
つまり次に出したカードの数字がそのまま、あいつが次にいるマスってことになる。

 俺はさっき攻撃で2を出し、移動でも2を出して2マス目にいる状態……ってことは、
ルルーシュが次に移動カードで1、4を出してきたら、攻撃は不可能……。

 1なら俺はもう通りすぎてるから攻撃はできないし、攻撃カード2をすでに出してるから、
オレがいる2マス目から2つ進んだマス……4マス目は無理ということだ。

カイジ「……これが分かったところでっ……!」

 ダメだ……こんなことを考えても、あいつが出すカードなんて分からねえ……!

-----

 そして……あいつの攻撃を100%回避することも不可能……!
 ルルーシュがさっき出した攻撃カードは1……ってことは、2ターン目に1マス目を攻撃することはできない。
だがっ! 俺はすでに1マス目を過ぎた2マス目にいるから、そのマスに行くことはかなわないっ……!

 結局……このターン俺ができることなんてないのか……!

カイジ「くそ……あと30分しかねえってのに!」

 次のカードも……結局運否天賦に身を任せねえといけないってことなのか……! 
どうしたらいいっ……どうしたらっ……!!

-----

-2ターン目・カード提出-(カイジ)

レロニラ「では、発表を始めます」

 ……結局、俺の出したカードはまた運任せ……何も浮かばない……何もっ……!

レロニラ「移動のカードは、神崎様、4。秋山様、4……」

 どうしたらいいんだ……本当にっ……!

レロニラ「大野様、4。江藤様、4。カイジ様、1となりました」

 ……? ……! 待て、今のは何だ……? 俺以外全員4だと……!
1ターン目も俺以外の奴は全員揃って0だった……さっきは偶然かと思ったがっ……。

-----

レロニラ「次に、攻撃のカードを発表します」

 これで他の奴が居る場所は、全員4マス目……俺が攻撃不可能だった2つのマスのうちの1つ……!
ありえない……2回連続で俺以外の奴が同じカードで、しかも今回は俺が攻撃できないマスに集まった!

 他の奴が協力して俺をハメようとしている以外、考えられないっ……!
 やられた……でもなんで俺……なんで俺なんだ……!

レロニラ「カイジ様、3。秋山様、5……」

カイジ「あ……!」

 そうだ、俺はルルーシュに誘われてた……協力しないかと……!
 それを断ったのが俺……つまり俺以外の奴はその誘いに乗った……!

 バカな……バカな……!

 いや違う……あの男、ルルーシュは……どちらにしろ俺をハメるつもりだった……
そうに違いない……!
 だが、どうしたらいい……1対6……圧倒的不利な状況っ……!

-----

-1セット目、2ターン目・結果-

・出した移動カード
 カイジ:1 直:4 秋山:4 ルル:4 C.C.:4 大野:4 江藤:4

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:2→3  直:0→4  秋山:0→4
 ルル:0→4   C.C.:0→4 大野:0→4 江藤:0→4

・出した攻撃カード
 カイジ:3 直:2 秋山:5 ルル:2 C.C.:3 大野:5 江藤:3

・攻撃したマス
 カイジ …… 5  直  …… 2
 秋山  …… 5  ルル …… 2
C.C.  …… 3  大野 …… 5  
 江藤  …… 3

・手持ちポイント
 カイジ:5ポイント  C.C.:10ポイント  江藤:9ポイント
 他は8ポイント

-----

 間違いない……俺が移動できないマスは避けた攻撃……! 

 攻撃同様に2を出していた移動カード……そうなると、
当然攻撃できないマスと移動できないマスは同じになる……つまり1マス目と4マス目に俺は行けなかった。

 だからあいつらは、攻撃するマスを2、3、5マス目に絞り、俺を一方的に攻撃してきた……!

 もっと早く気づいていれば……!

 ここで4か5を出せば、あいつらの攻撃は届かなかったのに……!

4か5を出せば、俺のいるマスは6か7だった……カードの数字の最大は5……
あいつらのいたマスは0……届かなかったっ……!

-----

-3ターン目開始・ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

ルルーシュ「よし……このままいくぞ」

 あのクズはもう気づいただろうか……この状況を。
 自分だけ一人で戦わないといけないというこの状況!

 オレがこのゲームが始まって、まず最初にしたことは、チームを作ること……。
このゲームで落ちるのはたった一人……つまり、7人のうち6人で組んでしまえば必勝だ。

 別に誰を落としてもよかったのだが、オレの部屋から近い順に周ることにした。
そして……カイジ……あいつだけがオレの誘いを断った。

ルルーシュ「本当にバカなやつだ……」

-----

ルルーシュ「さて、次のカードの配分だが……」

秋山「……次はダメだな」

ルルーシュ「……どういう意味だ?」

秋山「こっちのカードの出し方……さすがに露骨すぎる。勿論、必勝法には違いない。
    だが、あのカイジという男……いくらなんでも気づくはずだ、自分の置かれている状況に」

ルルーシュ「……気づいたとしても、何も問題は……。……いや、そうか……。
       問題なのは今のオレ達のいるマス目……」

秋山「そう、俺たちがいるのは4マス目……そして、カイジがいるのは3マス目だ。
    あいつが次に移動カードで0を出せば、俺達が攻撃するのは不可能」

直「あ、なるほど……」

-----

ルルーシュ「しかし、あいつも攻撃は不可能……結局問題はない」

C.C.「いや、ある」

ルルーシュ「……! 何?」

C.C.「ピザがなくなtt」

秋山「そうだ、問題はある。俺達がどう動くか……。あいつに攻撃が不可能な以上、
    逆に難しくなった。下手をすると、後でまた攻撃ができない事態になりかねない」

ルルーシュ「……そうだな」

C.C.「ピザ……」

-----

 オレ達6人の移動は常に合わせなくてはならない……だがそうなると、ターンが進むごとになくなるカードでは、
攻撃が不可能な場所が存在する可能性がある。

 オレ達のいるマスが全て同じということは、6人の持っている攻撃カードが偏る……つまり、
例えば3のカードを誰も持っていない状況になれば、その位置から3マス進んだマスは攻撃できない。

 そしてカイジがそれに気づいていれば、そのマスに移動してしまうだろう。

 オレ達が、カイジは攻撃することのできない別々のマスに移動することも考えらるが、
それでは、より複雑になり、ミスを誘発してしまう……。

 それに、オレ達の中でポイントのやりとりが発生してしまう恐れがある……。

-----

ルルーシュ「……2だ。次に出す移動のカードは2にする」

秋山「……。それがいい。カイジは3ターン目、俺達の攻撃を回避するが、
    4ターン目……0、1、2の移動カードをすでに使っているカイジは、
    4ターン目には俺達から逃れることはできない。
    移動カード3以上ならば、カイジがいるマスは6マス目以上……
    オレ達が2を出すことで行くマスは6マス目だ」

 そう……4ターン目にはどうやってもオレ達がいるマス以上の位置には来ることになる。
よって。オレ達が出すのは2……! 近すぎず離れすぎずのこの数字だ……。

-----

-1セット目、3ターン目・結果-

レロニラ「では、結果を発表します」

・出した移動カード
 カイジ:0 直:2 秋山:2 ルル:2 C.C.:2 大野:2 江藤:2

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:3→3  他:4→6

・出した攻撃カード
 カイジ:4 直:3 秋山:4 ルル:3 C.C.:4 大野:2 江藤:2

・攻撃したマス
 カイジ …… 7  直  …… 7
 秋山  …… 8  ルル …… 7
C.C.  …… 8  大野 …… 6  
 江藤  …… 6

・手持ちポイント
 変動なし

-----

-4ターン目開始・ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

 やはりあのクズでも、さすがにオレ達が協力していることに気づいたか……
だからこその、移動カード0……。

 あいつがこちらの攻撃を回避できることに気づかなかったときのために、
一応オレ達の攻撃はまんべんなく分けたが……無駄だったか。

 もっとも、今回はたまたましのいだだけ……カイジに勝ち目なんてない……!

ルルーシュ「……しかし、このあたりからカードが厳しくなってきたな……。
       必ずしも、カイジが行く可能性のあるマス全てに、
       同じ数だけの攻撃をしかけることができない……」

秋山「だが、攻撃自体は可能だ。攻撃カード2を持ってるのは俺だけで、俺達は今6マス目にいる。
    このターンで8マス目を攻撃できるのは俺だけになるが、その代わりに0を出す奴を3人にすればいい」

ルルーシュ「運よくカイジが、このターンに移動カード3を出す……つまり6マス目に移動すれば、
       3ポイント取れるということか……。逆に1ポイントの可能性もあるが……これは仕方ない」

-----

-同じ頃・カイジの部屋-(カイジ)

 しのいだ……とりあえずさっきのターンはしのいだ……!
 だが、それは偶然……単なる僥倖でしかない……。たまたまできたルルーシュ達の隙……!

 まだダメだ……1ターン程度じゃダメっ……! もっとしのがなくては……。

カイジ「……! な……待て待て!」

 しのぐ……? しのぐじゃねえ! 攻撃、攻撃だ!!
 しのいでるだけじゃルルーシュは潰せねえ!

カイジ「何かあるはずだ……あいつらを落とす方法が!」

 この1セット目……今がターニングポイントの4ターン目……!
何かある……必ずある……!

-----

 あいつらの残りのカードだが……。
どうせこっちの攻撃はそう簡単には通らねえ……まずはあいつらの攻撃カード……。

 今までの3ターンを思い返すと……残っているのは、
0、1が5枚、2、3が1枚、4、5が3枚……。

 そして俺の移動カードの残りは、3、4、5……。今俺がいるマス目は3だから、
俺がこのターン行けるマスは6、7、8のどれか……。

 それで、あいつらのいるマス目が6ってことは、あいつらが次に出す攻撃カードは、
0、1、2のどれかってことだ。そうすれば、攻撃は6、7、8マス目になる。

 いや……どれかというより、全てだろう。2のカードが1枚しかないから、
0か1のどっちかを3枚にして補うだろうが、俺が行ける場所全てをカバーした攻撃……。

カイジ「ぐ……死角がねえ……!」

-----

カイジ「4ターン目は被害の少ない5を出す……つまり8マス目に移動するか……?
     それならとりあえず1ポイントしかとられねえが……」

 いや……それはまだ早計……もっと整理してからだ……。

 あいつらの残りの移動カード……
1、3、5が6枚ずつ……あいつらは必ず同じマスに移動するんだから、
これはあまり考える意味が……。

カイジ「ん……? 同じマス……」

 同じマスってことは、一回攻撃が決まれば、一気に6ポイントとれるってことだが……
常に俺が攻撃できないマスに移動するあいつらから、ポイントを取ることは……。

カイジ「あ……! 待て、俺の残りの攻撃カード……!」

 残ってる攻撃カードは、0、1、5……!

-----

 このゲームの1セットは15マス目で終わる……そしてこの2種類のカード……!

カイジ「5……移動カード5はダメっ……! こいつはまだ使わない……!
     1ポイントで済む移動だが、それだけじゃダメだ!」

 よって俺が受ける攻撃は2ポイント分か3ポイント分……
もし後者のマスに踏み込んじまったらアウツっ……! 
 だが2ポイントなら繋がる……生還への道が……! 

カイジ「次は4……移動カード4だ……!」

-----

-1セット目、4ターン目・結果-

レロニラ「結果発表です」

・出した移動カード
 カイジ:4 他:3

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:3→7  他:6→9

・出した攻撃カード
 カイジ:0 直:1 秋山:2 ルル:0 C.C.:1 大野:0 江藤:0

・攻撃したマス
 カイジ …… 3  直  …… 7
 秋山  …… 8  ルル …… 6
C.C.  …… 7  大野 …… 6  
 江藤  …… 6

・結果
 直、C.C.の攻撃が成立。
 カイジ:3ポイント  直:9ポイント  C.C.:11ポイント
 江藤 :9ポイント  他は8ポイント

-----

-5ターン目開始-(カイジ)

 来た……なんとかなった……2ポイントで済んだ……!

 3ターン目の回避……あれが大きい……あれのおかげで、この状況に至った……!

 この5ターン目、恐らく俺は2ポイント取られちまう……いや、もしかしたら3ポイントってことも……。
だが今は……我慢っ……! 我慢するしかないっ……!

カイジ「今は待て……機を……!」


-同じ頃・ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

ルルーシュ「結局無難な2ポイント奪取か……」

秋山「期待値どおりだろう」

ルルーシュ「……そうだな」

-----

ルルーシュ「さて、次だが、カイジの残りの移動カードは、3と5……つまり5ターン目に、
       10か12マス目に行くことになる。
       対してこちらの今いるマス目は9……」

C.C.「どちらのマス目も攻撃するには、1と3の攻撃カードがいるな。
    1は3枚残っているが、3は1枚しかないぞ。
    どうする、ルルーシュ?」

ルルーシュ「とりあえず、1と3両方を出すとして……1は3枚出す」

直「あの……3を持っているのは大野さんなんですけど、大野さんは1を持っているんです。
   ということは……」

 両方出すことができるのは、1を2枚、3を1枚という場合のみ……!

-----

秋山「……そうか」

ルルーシュ「何?」

秋山「ここは1を3枚出すべきだ」

ルルーシュ「バカな……。それじゃあ、あいつが移動カード5を出して、12マス目に行ったらどうする?
       そもそも、カイジがこちらの攻撃カードが、1よりも3の方が少ないのを覚えていたら……
       間違いなくあいつは12マス目に移動する。
       そうなってしまったら、1ポイントも取れない」

秋山「……気づかないか?」

ルルーシュ「何をだ」

秋山「いや、後で分かる……カイジがそれを狙っているのなら」

-----

-数分後-(秋山)

 ランペルージは気づかないか……。
 もしカイジがこれを狙っているのなら……俺は回避できなくないが……。
いや……あえてここはカイジに塩を送ってやろう。ランペルージを試す……。

 ランペルージ……お前と組み続けるかは、お前がカイジの作戦に気づくかどうかで、
決めさせてもらう……。

秋山「じゃあ、移動カードは全員1、攻撃カードは、1を持っている三人は1、
    残りは意味はないが、5ということでいいか?」

直「分かりました」

ルルーシュ「……これで攻撃をはずしたら、どうするつもりだ?」

秋山「……」

 ランペルージ……。

-----

ルルーシュ「……やはりダメだ、そういう賭けをするよりも、
       安全重視……奴の行くマス全てをカバーするほうが重要だ。こちらの方が効率がいい」

秋山「……お前は保守的すぎる。
    もしカイジがこのターン、10マス目に行ったなら、こちらが攻撃カード1を3枚出せば、
    ここで終わる。あいつは落ちるんだ」

ルルーシュ「しかし、取れない場合は目も当てられない」

秋山「それはそうだが……。……もういい」

 組む相手を間違えたか……こうなると、恐らくこの1セット目では勝敗は付かない……。
2セット目……俺はどうするか……。

-----

-4ターン目開票-(ルルーシュ)

レロニラ「では、移動カードを読み上げます」

 秋山……口うるさい奴め……。これなら、無能でもカイジと組めばよかったか……。

レロニラ「ランペルージ様、1。秋山様、1……」

 さすがにあのカイジだって、こちらの攻撃カード3が1枚しかない以上、
リスクの少ないそちらのマス目……移動カード5を出して、12マス目に行くだろう……。

 そんなことも分からないのか、秋山は……!

レロニラ「……神崎様、1。カイジ様、3。となりました」

 ……。

ルルーシュ「何!?」

-----

秋山「行っただろう、カイジは3を出すと」

ルルーシュ「な……なぜ……」

秋山「……」

 くそ……!
 やはりカイジはただのクズ……こちらの残りカードすら考えていないゴミだ!

 これでは、秋山の言うとおり、攻撃カード1を3枚出していればカイジの負け……
オレ達の勝ちだったということ……!

 ふざけるな! あのクズのせいでとんだ恥じを……!!

レロニラ「次は、攻撃カードの発表です」

-----

-1セット目、5ターン目・結果-

レロニラ「結果発表です」

・出した移動カード
 カイジ:3 他:1

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:7→10  他:9→10

・出した攻撃カード
 カイジ:1 直:5 秋山:1 ルル:5 C.C.:5 大野:3 江藤:1

・攻撃したマス
 カイジ …… 8   直  …… 14
 秋山  …… 10  ルル …… 14
C.C.  …… 14  大野 …… 12  
 江藤  …… 10

・結果
 秋山、江藤の攻撃が成立
 カイジ:1ポイント 秋山:9ポイント  江藤:10ポイント
 直:9ポイント   C.C.:11ポイント ルル:8ポイント 大野:8ポイント

-----

-6ターン目-(カイジ)

 残った……残った残った残った!
 なんとかここまで来た……ようやく来た6ターン目……!

レロニラ「6ターン目のカード提出は、皆様のカードは、攻・移それぞれ1枚ずつですので、
      今から行わせていただきます」

カイジ「何だ……そうか。おい、ルルーシュ」

ルルーシュ「……!」

カイジ「見誤ったな?」

ルルーシュ「何!」

 そう、お前は見誤った……今の5ターン目で勝負を決めることも出来た……
だが、それをしなかった……! いや、自分の理を信じて、それができなかった……!

-----

カイジ「お前、俺がこの5ターン目に、5を出すと思っただろ?
     お前達の残りの攻撃カードで、3は1枚……俺が5を出せば、
     12マス目に移動……そしてその攻撃カード3で攻撃するのも、12マス目なんだから」

ルルーシュ「……それが何だ、結局お前は2ポイント取られ、あと1ポイント……。
       次のセットで終わりだ」

カイジ「……確かに、あと1ポイントの状態で2セット目に行けば、俺は1ターン目で死ぬ。
     だが、本当にそうだと思うのか?」

ルルーシュ「何をバカな。こっちが組んでいるのはお前もとうに気づいているはず。
       そして、オレ達がお前の攻撃が不可能なマスに常に移動していることも」

-----

カイジ「そう、さっきまではそうだった。せめて、お前達の行くマスが分かってたなら、
     俺も何かできたかもしれねえ。だが、それを知るのは無理」

ルルーシュ「そのとおり。つまりお前は落ちる」

カイジ「だが……分かってるんだよ、お前達の行くマス目……この6ターン目に関してはっ……!」

ルルーシュ「……戯言だ」

カイジ「……ルルーシュ……算数の時間だ。
     俺達の持っている移動カードは0から5の6枚。つまり、こいつらを全部足したマス目に、
     最終的に行くことになる。ってことは、この6ターン目に行くのは何マス目だ?」

ルルーシュ「15マス目に決まっている! それが分かったから何だ……!
       15マス目……全員行き着くマス……? ……! ……き、貴様!」

カイジ「気づくのが遅かったな、ルルーシュ!」

-----

-1セット目、6ターン目・結果-

レロニラ「では、結果発表です」

・出した移動カード
 全員5

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 全員:10→15

・出した攻撃カード
 カイジ:5 直:0 秋山:0 ルル:4 C.C.:0 大野:1 江藤:4

・攻撃したマス
 カイジ …… 15  直  …… 10
 秋山  …… 10  ルル …… 14
C.C.  …… 14  大野 …… 11  
 江藤  …… 14

・結果
 カイジから、他全員への攻撃が成立

 カイジ:7ポイント  直:8ポイント    秋山:8ポイント 
 ルル :7ポイント  C.C. :10ポイント 大野:7ポイント  江藤:9ポイント

-----

 そう、俺は狙っていた、あのときから……自分のカードを見直した4ターン目……!

 そのとき気づいた……双六ゲーム……ルルーシュ達の完全包囲の穴……!

 このゲームは、6ターン目……1セット目の終わりには、全員15マス目を踏むことになる。
つまり、ここだけは、相手を読まなくても、分かるマス目……!

 そしてここを攻撃するには、6ターン目に、移・攻カードの同じ数字を残すことが必要だ。
今回は、どちらも5を残した……こうすると、5ターン目に10マス目にいた俺は、
15マス目に移動、かつ15マス目を攻撃することができる。

 これが俺の狙いっ……!

 1ターン1ターン、俺の動きを見てカードを決めたあいつらからすれば、
そのことに気づかない……気づけない……! 全体を見ていないから気づけない……!

-----

 それが分かっていたからこそ、俺は我慢して、ポイントを取られるリスクが大きいマス目に移動していた。
もしリスクを回避していても、今の7ポイントには戻ってなかっただろうし、
そもそもあいつらに攻撃することすらできねえ……これが肝要……!

ルルーシュ「……ふん、1度上手くいったくらいで調子に乗っているようだが、
       お前の包囲網は消えない……2セット目でお前は終わりだ」

カイジ「うるせえ! 次はもっとほえ面をかかせてやる!」

 だが、あいつの言っていることは事実……確かに俺は1度のピンチは乗り切ったが、
これで終りじゃねえ……!

 次……次もある……!

レロニラ「では、ここで2時間の休憩をとります。
      2セット目のカードは、休憩終了後にお配ります」

-----

-数分後・ルルーシュの部屋-(秋山)

ルルーシュ「2セット目の初回……ここが重要だ。何を出すか……」

秋山「1セット目は、あいつはこちらが組んでいることに気づかなかった……。
    だからこそ、移動カード0を出した。
    最初の最初で、0とか5とか、極端なカードは普通出しにくいからな。
    だが……」

ルルーシュ「分かっている、今回は違う!」

秋山「……。ここは、リスク回避のために、移動カードも攻撃カードも、全員バラつかせるべきだ。
    そうすれば、あいつがどこに行っても攻撃できるし、1人しか攻撃は受けない」

ルルーシュ「……! それはダメだ。攻撃カードをバラつかせるのはいいが、
       移動カードは全員統一……これ以上あいつにポイントをやるわけにはいかない。
       そしてオレ達がいるマス目に、自分達の攻撃はしない」

 ランペルージ……さっきのターンのことを気にし、汚名返上を図ろうとしているようだが……
それじゃあ俺に対抗しているだけ……。

-----

秋山「しかし、1ターン目だけはカードが全てある。だから、攻撃を100%回避するのは不可能。
    どうするつもりだ?」

 実際、ある程度読めなくは無い……が、まさかその理論を使うつもりではないだろうな?

ルルーシュ「あいつは恐らく、こちらからの攻撃を不可能にするため、4や5などの大きい数字を、
       移動カードとして出して逃げるだろう。

       それはつまり、オレ達が1セット目のように、移動カードで0などの小さい数字
       を出してくるのを読んだためだ。だから、攻撃カードは少ない数字を出してくる……。

       こっちは移動カードとして大きい数字……4などを出せばいい。
       そうすれば、あいつの攻撃は回避でき、かつカイジに付かず離れずの位置をとれる」

 ……やはりその理論か……。その可能性はなくはない……が、逆にカイジもそう考えていたら……
全ては裏目。だが、考えていないかもしれない……結局、分からない。
 だから最初は全員の数字をバラつかせる必要がある……。

 だがランペルージは……。

-----

秋山「……分かった、好きにしろ」

ルルーシュ「どこへ行く?」

秋山「カードはだいたい決まった……移動カードは大きめの数字、攻撃カードはバラつかせるんだろ?
    今は休憩時間……ずっとここにいる必要もない」

直「あ、待ってください!」

 やはりダメか、ランペルージ……。
 仮にランペルージの作戦が成功しても、それは運がよかったに過ぎない……効率が悪い……。
5ターン目は効率を重視したのに、ここに来て……やはり、単に俺の意見を通したくないだけ……。

直「秋山さん……」

 ……この子を使えば、俺の立ち位置からでも何かできるか……?

-----

-数分後・秋山の部屋-(秋山)

秋山「……もしこの1ターン目……ルルーシュの作戦が失敗するようなら、
    君にやってほしいことがある」

直「え……やってほしいことって……」

秋山「……このまま行けば、俺達は勝てる可能性が高い。だが……一つのミスで変わることもある。
    だから、ランペルージに付くのが正解かそれをやめるか……」

直「ランペルージさんを裏切るんですか……?」

秋山「さあ、どうかな」

直「嘘をつくんですね……」

秋山「……」

 もっとも、この流れでは結果は見えているが……。

-----

-2セット目、1ターン目開始-

レロニラ「では、2セット目を開始いたします。
      2セット目から、攻撃が成立したときのやりとりは2ポイントとなります。
      これより1時間後、カードを提出していただきます」

ルルーシュ「カイジ……このセットでお前は終わりだ……落ちろ!」

カイジ「うるせえ! 落ちるのはお前だ、ルルーシュ!」

ルルーシュ「せいぜい吼えておけ……負け犬」

秋山「……」

-----

-同じ頃・カイジの部屋-(カイジ)

 1セット目は乗り切った……そして一死報いることができた……が……。
2セット目……この1ターン目が最重要……!

 うまくすれば、このセットの間中、あいつらの攻撃をしのぎ、その上攻撃もできるかもしれねえ!
だが、どうするか……。

カイジ「でかい数を出して移動すれば、あいつらから遠ざかる……逃げられるか……?」

 いや……ルルーシュ達にそれは読まれやすい……。

 じゃあ逆に、小さい数であいつらが俺よりも前のマスに行くようにするか……。
そうすれば、あいつらは攻撃できない位置にいることができる……。

カイジ「分からねえ!」

 くそ……くそ……! この1ターン目が最重要なのは向こうも分かってるはず……
そうなると、かなりの策を練ってくるはず……分からねえ!!

-----

-2セット目、1ターン目・結果-

レロニラ「結果発表です」

・出した移動カード
 カイジ:3 直:4 秋山:4 ルル:4 C.C.:4 大野:4 江藤:4

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:0→3 他:0→4

・出した攻撃カード
 カイジ:4 直:0 秋山:3 ルル:1 C.C.:2 大野:3 江藤:5

・攻撃したマス
 カイジ …… 4  直  …… 0
 秋山  …… 3  ルル …… 1
C.C.  …… 2  大野 …… 3  
 江藤  …… 5

・結果
 カイジから、他全員への攻撃が成立
 秋山、大野から、カイジへの攻撃が成立

 カイジ:15ポイント 直:6ポイント   秋山:8ポイント 
 ルル :5ポイント  C.C. :8ポイント 大野:7ポイント  江藤:7ポイント

-----

-数分後・C.C.の部屋-(ルルーシュ)

ルルーシュ「……」

C.C.「……ルルーシュ」

ルルーシュ「くそ……くそ……くそおおおおおおお!
       なぜだ! 読まれたということか、このオレが!!」

 秋山の言うとおり、移動をバラつかせればよかったということか!?
それは結果論……結果論にすぎない……!

C.C.「落ち着け、ルルーシュ」

ルルーシュ「落ち着いていられるか!
       秋山が正しかったことはいい……だが、カイジ……あんなやつに読まれるなんて……!」

C.C.「たぶんあいつは読んだんじゃない、偶然だ」

ルルーシュ「だとしてもだ!」

-----

C.C.「で、次は何を出すんだ? それと、そろそろお前の部屋に行かないと、
    他の奴らが待っているぞ」

ルルーシュ「ぐ……次……か……」

 カイジが1ターン目、こちらへの攻撃を成功させた……これは偶然か、
あいつの読みなのかは分からないが……とにかく、もう油断はしない……!

C.C.「あいつは1ターン目、攻撃カードの4を出した。あいつが今いるマス目は3……
    攻撃できないマス目は、7ということになるな」

ルルーシュ「ああ、そうだが……」

 本当にそれでいいのか……?
 まず考えなくてはいけないのは、6ターン目……このセットの6ターン目に、
1セット目と同じようなことをしていては愚の骨頂……こちらも、6ターン目に備え、
同じ数字を残す必要がある……これだけは徹底しなくては……。

-----

ルルーシュ「……」

C.C.「……? 何を悩む必要がある? 移動カードは3で問題ないだろう?
    攻撃は、どうせあいつが移動カードで0を出したらどうやってもできない……
    今いるマス目は、あいつが3、こっちが4ですでに通り越しているからな」

ルルーシュ「いや、待て……」

 それじゃあダメなんだ……さっきはそれで、カイジにやられた……違う手……!
攻撃を回避するだけではない……何か……!

 ……もしここでオレ達が移動カード5を出せば、9マス目に到達する……ここも当然、
カイジの攻撃は届かない……が……。

ルルーシュ「……1……だ……」

C.C.「……何?」

-----

ルルーシュ「次の移動カードは1を出す」

C.C.「……それに何の意味がある。リスクを犯すだけで、得るものは何もない」

ルルーシュ「いや……もしオレ達がここで、移動カード5を出したとすると、
       カイジの攻撃は届かなくなる。
       恐らくカイジはそれを読み……移動カード4や5などの大きい数字を出してくる。

       それに付かず離れずの1だ……!
       カイジは移動カード同様、攻撃カードも大きい数字を出す……!」

C.C.「……本当にいいのか?」

ルルーシュ「……ああ」

 そしてこちらの攻撃カードは適当にバラけさせる……。
 もうあいつに読み負けるわけには行かない……これでチェックだ……カイジ……!

-----

-同じ頃・カイジの部屋(カイジ)

カイジ「流れがきてる……!」

 今回のポイント獲得は、完全な運だった……結局、この1ターン目、
相手の行動を完全に読むことは不可能……これは、紛れも無い真実だった。
 当たり前だ、完全に束縛のないものを読むことなんてできやしない。

 特に移動カード3を出したことで、あいつらより後ろのマスに来たことは大きい……!
これならば次ターンでは必ず攻撃を避けられる……!

カイジ「だが……」

 懸念するべきことは、あいつらが大きな数の移動カードを出して、離れること……。
当然向こうからの攻撃もできなくなるが、こちらの攻撃も届かない……。

 そしてそのまま3セット目にもつれこむようなことになれば……。

 今回みたいな運の良さ……そう出るもんじゃない……。

-----

カイジ「なら……でかい数字を出して一気に移動を……!」

 いや……それもどうだ?
 今回俺は100%攻撃を回避できるのに、みすみすそれを見逃すのか……?
だが、あいつらがでかい数字を出したら……。

 人数で劣る俺では、そのうち泥沼……抜けられなくなるっ……!

 くそ……この2択……岐路……大きな岐路……!

カイジ「せめて他の奴全員が敵じゃなかったら……!」

 ……! 俺は何をバカなこと言ってやがるっ……!
そんな暇があったら、考えろ……!

-----

-2セット目、2ターン目・結果-

レロニラ「結果発表です」

・出した移動カード
 全員1

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:3→4 他:4→5

・出した攻撃カード
 カイジ:2 直:3 秋山:1 ルル:3 C.C.:4 大野:4 江藤:4

・攻撃したマス
 カイジ …… 5  直  …… 7
 秋山  …… 5  ルル …… 7
C.C.  …… 8  大野 …… 8  
 江藤  …… 8

・結果
 カイジ・他全員への攻撃が成立
 秋山 ・カイジ以外の他全員への攻撃が成立

 カイジ:27ポイント 直:2ポイント   秋山:16ポイント 
 ルル :1ポイント  C.C. :4ポイント 大野:3ポイント  江藤:3ポイント

-----

-3ターン目開始・ルルーシュの部屋-

ルルーシュ「何……だ、これは……!」

 カイジの移動は1だと……? 何だこの数字は……!?
攻撃を回避できる0や、大きく移動する5でもない、1……!
 しかも攻撃を、オレはまたしても受けただと……!?

 いや……それ以上に……!

ルルーシュ「秋山ぁぁぁぁ!!」

秋山「どうした、ルルーシュ」

ルルーシュ「どうした、じゃない! なぜ攻撃カード1を出した!
       なぜオレを攻撃したあああ!!」

秋山「さあ、なんでだろうな」

-----

ルルーシュ「貴様……!」

秋山「……もういいルルーシュ。お前の残りポイントはあと1……終わりだな」

ルルーシュ「……誰のせいでこんなことに!」

秋山「俺のせいとでもいうのか? 俺はさんざ忠告した」

ルルーシュ「しかしオレを攻撃する必要など!」

秋山「あったさ、俺のポイントも少なかったからなあ。
    それと……もう俺はチームを抜ける。ここにいてもしょうがない。
    みすみす自分の出すカードを教えるようなものだからな」

ルルーシュ「秋山!」

-----

直「あ、秋山さん!」

 くそ……秋山、こいつのせいで全てが……!!

ルルーシュ「秋山! ”お前はオレの言うことを聞いていればいいんだぁぁぁ!!”」

秋山「!? ……。……分かった」

C.C.「……ギアスはなるべく使わないんじゃなかったのか?
    増してや感情に流されて……」

ルルーシュ「うるさい!」

直「秋山……さん……?」

秋山「……」

-----

ルルーシュ「次のターン、移動カードは3で、攻撃カードはカイジが行く可能性のあるマスにばらつかせる。
       あいつは今4マス目にいて、残る移動カードは0、2、4、5。
       つまり、4マス目は攻撃不可能だから、6、8、9マス目に攻撃が分散するようにする」

 もういい……6ターン目も当然意識し、かつデータどおりの動きをしてやる……。
あいつの攻撃できないマスに全員移動し、そしてあいつの行くマス全てに攻撃をしかける……。

 それともう一つ……このターン、オレだけは移動カード5を出し、カイジからの攻撃を届かないようにする。
自分で攻撃しなくても、他のやつらに攻撃させればいいんだからな……。
 オレがリスクを負ってまでカイジの近くにいる必要など最初からなかった。

 オレのポイントはあと1……どこかでポイントを補充したいが、それは4、5ターン目あたりでいい。
もうチーム内でのポイント移動など知ったことか……。

 もしこのことで不満があがるようなら、全員にギアスをかけるまでだ……。

-----

-2セット目、3ターン目・結果-

レロニラ「結果発表です」

・出した移動カード
 カイジ:4 ルルーシュ:5 他:3

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:4→8 ルルーシュ:5→10 他:5→8

・出した攻撃カード
 カイジ:0 直:4 秋山:4 ルル:4 C.C.:1 大野:1 江藤:1

・攻撃したマス
 カイジ …… 4  直  …… 9
 秋山  …… 9  ルル …… 9
C.C.  …… 6  大野 …… 6  
 江藤  …… 9

・結果
 変動なし

・補足
 江藤はこのターン、カイジのいる8マス目を攻撃可能ですが、それだと直が死ぬので、
 ルルーシュはそこを攻撃するのをやめました。
 ルルーシュの目的はあくまでカイジなので、それ以外の奴のポイントが動いても、
 殺すことはしません。

-----

-4ターン目・C.C.の部屋-(ルルーシュ)

ルルーシュ「……」

C.C.「……次は何を出すんだ、ルルーシュ」

ルルーシュ「……」

C.C.「おい」

ルルーシュ「……ん? 何だ」

C.C.「どうかしたのか?」

ルルーシュ「おかしいと思わないか、C.C.?」

C.C.「何だが?」

ルルーシュ「カイジの移動カードだ」

-----

C.C.「……言われてみれば、なぜあいつは4を出したんだ?
    0を出せば確実に攻撃を回避できたはずだが……。
    お前が5を出すと読んで、近づくためにか?」

ルルーシュ「……」

 なぜあいつは4を出した……? C.C.の言っていることも一理あるが……
なんでそれを2ターン目にしなかった? そこまで読んでいたということか……?

 いや、さすがにそれはおかしい……。

 そして9マス目は、秋山だけが攻撃していたマス……カイジが攻撃される中で、
最も取られるポイントが少ないマス……。そして秋山……。

ルルーシュ「……先にオレの部屋に行っていてくれ」

C.C.「? 分かった」

-----

-同じ頃・カイジの部屋-(カイジ)

カイジ「部屋から出てこない……?」

直「はい、さっきまではターンが始まったら、割とすぐにどのカードを出すか話し合いをしてたんです。
   でも、なかなか現れなくて……すいません、だからちょっと早いですけど来てしまいました。
   だけど、まだどのカードを出すかは……」

カイジ「いや、大丈夫だ、さっきから助かってる」

 そう、神崎……こいつが俺に付いてくれたおかげで全て変わった……!
神崎はスパイ……ルルーシュのチームの人間のふりをして、こちらに情報をリークしてくれる!

-----

-1ターン目中・秋山の部屋(>>128の後)-(秋山)

直「それで、私にしてほしいことってなんですか……?」

秋山「カイジと組め」

直「え!?」

秋山「ここで失策するようならば、ルルーシュは……チームは負ける可能性がある。
    ならば、カイジに協力したほうが、勝率が高い」

直「で、でも……さっきまで頑張ってくれたランペルージさんを裏切るなんて……」

 この子はやはりこういう性格……だが……。

秋山「じゃあこう考えろ。さっきまでランペルージに味方していたが、それだと不公平だ。
    だから公平を保つために、今度はカイジに味方する」

直「あ、そう言われたらそうですね!」

 ……バカ正直……。

-----

 よし……これで、もしランペルージがこのターン、ポイントを取られるようなことがあれば……
俺はランペルージを攻撃する。そうなれば、ランペルージのポイントは残り1……瀕死となる。

 さっきカイジはその状態から這い上がったが……ランペルージはどうだろうか?
ここであの子にも攻撃させればランペルージは沈むが……三回戦のことを考えると、
ランペルージとカイジ……この二人の動向を見ておきたい。

 そうすれば、三回戦必ず有利に戦える……。

  あの子にはああ言ったものの……狙いはそんなところじゃない。
今やこのゲームは、ランペルージとカイジの一騎打ち……俺が落ちるなんてことは、まずないからなあ。

 さて、じっくり見物させてもらおうか。

-----

-2ターン目中・カイジの部屋-(カイジ)

直「あの……カイジさん……」

カイジ「! 何の用だ!」

 こいつは……確か神埼とかいう……。

直「秋山さんに言われて来たんです! あの、カイジさん……私と組みませんか?」

カイジ「……は?」

 何言ってやがんだこいつ……! ルルーシュの仲間……そんな奴のことばが信用できるか!
これはあいつの策に決まってる!

-----

カイジ「バカ言うな、帰れ帰れ!」

直「は、話だけでも聞いてください!」

カイジ「……」

 ……しかし……実際どうなんだ……? 俺と組むことにメリットがあるのか……?
いや……6人組なんていう圧倒的有利な状況を投げて、俺と組もうだなんて普通は考えない……。
いくら流れが俺にあるとしても……!

直「じゃ、じゃあこれだけ聞いてください! このターン、私達は全員移動カードで1を出します!
   攻撃は、カイジさんが大きく動くと読んで、7、8マス目に集中させるそうです!」

カイジ「……!」

直「あ、あと、秋山さんがランペルージさんを攻撃します!
   あの、えっと……後でまた来ます!」

-----

 なんなんだあの子は……。

カイジ「移動カード1……秋山のルルーシュへの攻撃……!?」

 バカか、そんなもん信じるわけねえ!

 だが……。

 この2ターン目、俺は移動カード0を出せば奴らの攻撃は必ず避けられる……。
そんな状態で、さらに自分達のチームの出すカードを知らせて何の意味がある……?

 いくらなんでも、作戦として成り立ってない。結局俺が0を出したら同じなんだ。

カイジ「ということは……」

 リスクはほとんどない……仮に次のターン、全員から攻撃を受けたとしても、
まだポイントには余裕がある……。

 そしてこの状況……活路がないこの状況っ……!

カイジ「……一度だけ信じてやる、神崎……!」

-----

-時間軸戻る(4ターン目)・カイジの部屋-(カイジ)

直「あ、そういえば……やっぱり秋山さんが変なんです」

カイジ「3ターン目のときも言ってたな……」

直「何ていうか……1セット目とか2セット目の最初の方までは、
   ランペルージさんと話し合って出すカードを決めていたんですけど、
   3ターン目くらいから、全部ランペルージさんが決めてるし……。

   私が話しかけても無反応……いえ、ランペルージさんとしか話さない……。
   だけどそれも、はい、とか、分かりました、とかしか……」

カイジ「……」

直「本当に変なんです……催眠術にでもかけられたみたいな……」

カイジ「催眠術……?」

 そんなことできるわけが……。

-----

直「もう私……どうしたらいいのか……」

カイジ「お、落ち着けって。秋山は、俺と組むようにお前に言ったんだろ?
     だったら、それが疑われないために、秋山は演技しているのかもしれねえ」

 神埼の様子……普通じゃねえ……まさか、本当に催眠術が……?

 いや、そんなもんが使えるんだったら、さっさと俺も含む全員に使えばいいだけの話……。
何か理由があって使ってないのか……?

 ば、バカ言ってんじゃねえ! そもそもそんなものが存在するわけ……!

直「……秋山さん……」

 ぐ……。

-----

カイジ「……神崎、お前の手持ちカードを見せてくれ」

直「はい……」

 もし……もしだ。万が一、そんなバカげたことが可能なら、そのうち神崎も秋山と同じ目にあうかもしれねえ。
いや……だとしたらもうすでに神埼は……。いやいや、それなら嘘の情報を伝えるはずだ。

 だったら、万が一に備えて動く必要がある……。

 どうせルルーシュは、1セット目の俺を見て、このセットの6ターン目は俺と同じことをするはず……。
そこから何かできることがあるはずだ……!

-----

-部屋の外-(ルルーシュ)

 やはりスパイが潜りこんでいたか……神崎直……。
まあ、潜り込んでいたというより、途中から沸いてでたというべきか……。
 これも秋山の戦略というところか……。

ルルーシュ「ふん……」

 だが、それも終わり……露骨するぎるんだよ、お前の動きは!

 せっかく得た仲間……それはカイジ……お前の明らかにおかしい行動で、
それが露呈した……!

ルルーシュ「……もうすぐ出てくるか? ならば、先に戻っておくか……」

 他の奴らからは、結局さっきのオレの移動カード5を見て、
非難をあびせてきた……そろそろやっておく必要があるな……。

-----

-数分後・ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

 さて……そろそろ来る頃かな……。

直「あ……遅くなってすいません! お、おトイレに行っていて!」

ルルーシュ「いや、いい。オレもすぐにはここに来なかったんだからな」

直「ありがとうございます」

ルルーシュ「ああ、それより……”オレの指示に従え”」

直「え……! ……。……はい」

ルルーシュ「これでお前達は全員オレの奴隷だ!」

-----

C.C.「結局全員にギアスか……芸がない」

ルルーシュ「うるさい。こいつらはオレの指示に従わなくなった……だから仕方ない。
       それに、このゲームが終わったら、オレに従わなくてもいい、
       と命令すればいいだけだ。それで後腐れはない」

 いっそのことカイジにギアスをかけてやってもいいが……
あいつはあいつ自身のまま、潰してやる……!

C.C.「まあいい。で、次はどうするんだ?」

ルルーシュ「簡単だ。あいつの攻撃を確実に回避できるマスに移動する。
       そして攻撃は上手くバラつかせたい……が、今回それはやめる」

-----

C.C.「何?」

ルルーシュ「今を見るより先を見る……6ターン目に移・攻カードで、
       全員同じ数字を出させるための調整を行う。
       そのほうが効率がいいからな。

       とはいえ勿論、あいつが来る可能性のあるマスにも攻撃はしておくが……

       1ターン目で、攻撃カード5をすでに使った江藤と、
       移動カード5をすでに使ったオレ以外は、6ターン目に、
       移・攻カードで両方5を出させる。オレと江藤は0でやる」

C.C.「それであいつから12ポイント奪うわけか……」

ルルーシュ「そうだ」

 もっとも、あいつもその調整をしてくるだろうから、結局プラマイゼロだが……
もしかしたら、オレがいつまでたっても1ポイントでいるのを見て、早めに動いてくるかもしれない……。

-----

 さてカイジ……お前が頼れる唯一の人間、神崎直はこちらの手中に完全に納まった……。

 このままお前の仲間のふりをさせるのもいいが……すぐにでもお前に絶望を味あわせるために、
4ターン目の結果発表が終わったら、そのことを伝えてやる……!

 まあ、ギアスのことは当然言えない……神崎直を送ったのはオレの戦略だった、
とでも言っていこう……動揺させるためにな……!

ルルーシュ「ふっはっはっはっは! さっきまでさんざコケにされたが、
       お前はもう終わりだ、カイジ!」

 このセットは無難に終わらせてやるが……3セット目、お前は地獄を見る……!

-----

-2セット目、4ターン目・結果-

レロニラ「結果発表です」

・出した移動カード
 カイジ:5 ルルーシュ:3 他:2

・移動前後のマス(名前:前マス → 後マス)
 カイジ:8→13 ルルーシュ:10→13 他:8→10

・出した攻撃カード
 カイジ:1 直:1 秋山:0 ルル:5 C.C.:0 大野:0 江藤:3

・攻撃したマス
 カイジ …… 9  直  …… 9
 秋山  …… 8  ルル …… 15
C.C.  …… 8  大野 …… 8
 江藤  …… 8

・結果
 変動なし

 カイジ:27ポイント 直:2ポイント   秋山:16ポイント 
 ルル :1ポイント  C.C. :4ポイント 大野:3ポイント  江藤:3ポイント

-----

-5ターン目-(ルルーシュ)

 ……! あいつ……攻撃カードで5を出した……!
瀕死のオレを攻撃すべく、オレの位置に追いつくための5……!

 バカが! それが命取り、お前は終りだ……!

 それを出してしまうと、カイジは6ターン目に、移・攻のカードで、
同じ数字を出すことが不可能になる。移動カード5を出した時点で、
全ての数字は出きってしまったのだから……!

 ……そして、あいつはさらなる絶望を味わうことになる……!

ルルーシュ「カイジ」

カイジ「……?」

-----

ルルーシュ「さっきからなかなか調子がいいようだが、何かあったか?」

カイジ「お前には関係ねえ!」

ルルーシュ「……ふっはっはっ……。……神崎直……」

カイジ「……!」

ルルーシュ「何だその反応は、神崎がどうかしたか?」

カイジ「関係ねえって言ってんだろ!!」

ルルーシュ「いや、ある……そしてさっき、その関係は確かに、なくなった」

カイジ「どういう意味だ!」

-----

ルルーシュ「そのままの意味……2ターン目あたりからの、お前と神埼の関係は、
       さっきなくなった……お前はまた一人だ」

カイジ「な……!」

ルルーシュ「裏切られた……いや、もともとあれはオレの策……お前に慈悲を与えるためのな。
       そしてどん底に落とす……その証拠に、オレはまだ死んでいない……。
       スパイなんていう大きなものを手に入れたのに、まだ勝負がついていない……
       それはもともとオレの戦略だからだ!」

 当然嘘だが……今のこいつにはダメージが大きいはずだ。

カイジ「貴様っ……!」

ルルーシュ「まあ、せいぜい頑張れ、カイジ」

 もはやお前に勝ち目などなくなったがな!

-----

-ルルーシュの部屋-(ルルーシュ)

ルルーシュ「さて、このターンは考えるまでもないな……」

 今現在、このチーム内で残っているカードは、

移動カード
 ルル:0、2 C.C.:0、5 秋山:0、5 直:0、5 大野:0、5 江藤:0、5
攻撃カード
 ルル:0、2 C.C.:3、5 秋山:2、5 直:2、5 大野:2、5 江藤:0、2

 のはずだ。
 そうなると、互いに同じ数字があるものは6ターン目に使うことになるから、
そうではない数字を、それぞれ使うことになる。

 オレと江藤以外の移動は0……オレは2、江藤は5か。オレの攻撃は2を出すことになるから、
ちょうど江藤に攻撃でき、ポイントを回復できる……これでカイジから攻撃を受けても問題ない。

 それ以外でチーム内でのポイントの行き来もないから、誰か死ぬこともない……。

 そして6ターン目……ここでカイジのポイントを一気に奪うことが出来る……!

-----

 カイジの残りカードだが、移動カードが0と2、攻撃カードが3、5……。
そしてあいつのいるマス目は13……。バカが……どっちを出しても15マス目を超える……
攻撃対象が存在しない空間への攻撃……。

 結局、4ターン目の移動は空振り……無意味……仲間が出来た安心感……愚の骨頂。

ルルーシュ「終わり……完全にカイジは終わった……!」

C.C.「私は移動が0、攻撃は3を出せばいいんだな?」

ルルーシュ「ああ。お前達は、6ターン目にどちらも5を残しておけ。江藤だけは0だ」

秋山・直・他「分かりました」

 さて……3セット目はどうするか……。
 3セット目は1度の攻撃で3ポイント動く……カイジを楽に落とせる……!
 最初のターンは、このセットの愚を繰り返さぬよう、移動も攻撃もバラつかせる……。
それだけでカイジは絶望……死の足音を聞くことになる……!

-----

-5ターン目、結果発表-(ルルーシュ)

レロニラ「カードが出揃いました。では、読み上げていきます。
      まずは、移動カードからです」

 確かこの発表は、6ターン目のものも連続して行われる……カイジの破滅の始まり……!

レロニラ「カイジ様、0。秋山様、2……」

 ふん……カイジ……運よくオレからの攻撃はまぬがれたマス目だな……無駄なあがきだがな。

レロニラ「……クリス様、0となりました。次は、攻撃カードです」

-----

 ……このターンの発表は無駄……オレのポイントが増えるだけだ。
それはカイジから奪うものではない、だから意味がない。
早く6ターン目の発表をして、3セット目を始めろ!

レロニラ「攻撃カードは、江藤様、2。大野様、2……」

カイジ「……」

ルルーシュ「落ち着きがないな、カイジ……。死神でも見たか?」

カイジ「発表が聞こえなくなる、黙ってろ」

ルルーシュ「ふははは……」

 何をそんなに熱心に……。

レロニラ「秋山様、2。クリス様、3……」

-----

カイジ「ルルーシュ」

ルルーシュ「発表が聞こえなくなるんじゃなかったのか?」

カイジ「いや……お前のために聞こえなくしてやるんだ」

ルルーシュ「はあ?」

カイジ「ルルーシュ……お前、俺が15マス目に攻撃は不可能……
     そして、6ターン目に一気に俺からポイントを奪い、
     3セット目でしとめる……そう考えていたな?」

ルルーシュ「……ふ……ふっはっはっはっは! 分かってるじゃないか、カイジ!
       さすがにここまで抗ってきただけはある!
       その点だけは褒めてやるよ」

カイジ「……残念だが、3セット目はない。……いや、6ターン目すらない!」

ルルーシュ「……!」

-----

ルルーシュ「とんだ戯言だな、カイジ。お前に残された攻撃カードは3と5……。
       どうやったって無理じゃないか。
       いまさらこっちを動揺させようなんて、無駄なあがきだ」

カイジ「お前、覚えてるか? あの仮面ヤローが最初に言った、
     双六ゲームの注意点……!」

ルルーシュ「注意点……?
       あの、カードをなくしたら失格、というやつか?
       あんな当たり前の注意……何の意味があるというんだ?」

カイジ「あの注意点……カードをなくしたら失格……ってことはつまり、
     逆にいえば、カードがなくなってなければ、何をしてもいいってことだ」

ルルーシュ「……」

カイジ「だから……」

-----

レロニラ「カイジ様、2……」

カイジ「こういうこともできるってことだ!!」

ルルーシュ「な、何!?」

 バカな……あいつは2ターン目に、攻撃カード2を使っていたはず……!
あるはずがない……あるはずが……! だが、今……!

 そして攻撃カードが2……あいつがいたマスは13マス目……
攻撃したのは、オレがいるマス、15マス目……!!

ルルーシュ「まさか、配布されたカードがお前だけ違って……!
       おい、どういうことだ!!」

レロニラ「配布したカードは、皆様同じです。移動、攻撃ともに、0から5が1枚ずつです」

ルルーシュ「じゃあ、どうして……!」

-----

ルルーシュ「ふ……だが、関係ない! 確かにこの時点で、オレのポイントは0……いや、マイナス1だ。
       しかし……!」

レロニラ「ルルーシュ様、2……」

ルルーシュ「江藤がいるのは15マス目……つまり、13マス目にいたオレは、江藤からポイントを奪い、
       オレはまた1ポイントになった! 無駄なんだよ、お前の攻撃は!」

カイジ「いや……分かってた、お前がこうすることは。いや……これがあったからこそ、
     俺は行動に移れた……。

     お前はオレが、4ターン目に5を出し近づいたことで、少なからず焦ったはずだ。
     たとえオレが攻撃できないとしても、あと1ポイントでは心細いと。

     だからこのターン、お前は2を出し、0を6ターン目に残した。
     自分のポイントを増やすために。

     だが、この行動こそ命取り……目の前の金に溺れる、ゴミ同然の思考……!」

-----

カイジ「もしお前がこのターン、0を出していたら……さっきのオレの攻撃は空振り……
     無意味なものだった。だがお前は、ポイントを取りに来た……!

     6ターン目に、移・攻同じ数字を出すために残されたカード……
     お前の持っていたカードは、移動も攻撃も0と2しかない……どっちも可能性があった。
     これだけが気がかりだったが……やはりお前この程度」

ルルーシュ「ふん……えらく語っているが、結局オレは1ポイント残っている……」

カイジ「本当にそうか?
     ……お前は、何で俺が、攻撃カード2を出せたのか、考えてないのか?」

ルルーシュ「……」

カイジ「俺が持っていたカードは、仮面ヤローが言っていたとおり、お前らと同じ……!
     ってことは、同じカードが2枚あるのはおかしいよなあ?」

ルルーシュ「……! 誰かと交換したのか!」

-----

カイジ「そうだ! 俺は神崎に手持ちカードを見せてもらったとき、交換した!
     そして交換したカードの名前部分を切り取り、張り替えた!
     これは禁止されていないルール……カードをなくしたわけじゃないからな!」

ルルーシュ「だとしても、このオレには1ポイント残ったという事実は変わらない」

カイジ「いや、違う……こういうことだ!」

レロニラ「神崎様、5。このようになりました」

ルルーシュ「……。……5……?」

カイジ「そう、神崎は攻撃カード5だ。あいつがいたマスは10、そして攻撃カードが5!」

-----

ルルーシュ「攻撃されたのは15マス目……オレがいるマス……オレのポイントは……!」

カイジ「0だルルーシュ!!」

ルルーシュ「な……バカな、そんなバカな……!」

 なぜだ……なぜこんなことが起こりえる……? そうだ……そもそも神埼直はオレの支配下……
オレが指示していないことなど起こせるはずがない……!

レロニラ「このターンの結果、ランペルージ様、江藤様のポイントが0になりました。
      よって、このゲームの敗者はランペルージ様と江藤様となりました。
      敗者が2人ですので、負債6億は分けられ、1人3億の負債となります。
      残りの5名は、3回戦進出となります。おめでとうございます」

ルルーシュ「ぐ……!」

 いったい……何が……!

-----

-ゲーム終了-(カイジ)

ルルーシュ「貴様……何をした……!」

カイジ「言っただろう、俺の攻撃カード5と、神崎の2を入れ替えたと」

ルルーシュ「オレの言っているのはそんなことではない!」

 この様子……神崎の言っていた催眠術……あれは本当だったということか?
自分でコントロールできる相手が予想と違う行動に出た……そこから来る狼狽……。

カイジ「お前は、俺の1セット目の行動を見て、自分も6ターン目、
     移・攻どちらも同じ数字を残すようにした。
     それをやることは、この2セット目が始まる時点で分かったいたこと……」

ルルーシュ「それがお前に気づかれていることくらい、こっちも承知の上だった!」

カイジ「つまりそうなると、5ターン目に出てくるカード……
     いや、4ターン目に出てくるカードも、だいたい想像がつくよな?」

-----

 想像が付いたからこそ、俺は4ターン目に移動カード5を出した……
これを出すと、次のターンで攻撃できないと分かっていたが出したっ……!

カイジ「だから俺は、4ターン目のカード提出の前、仕掛けをしていた。
     つまり、4ターン目の間に、神崎とカードを交換したってわけだ」

ルルーシュ「だがなぜそれが出てくる! オレはあいつに……!」

カイジ「オレはあいつに……何だ? 催眠術をかけたってことか?」

ルルーシュ「……!」

 な……! 図星……まさか図星……なのか……? そうでなければその反応は……。

-----

カイジ「俺が自分の策を進める中で、最大の弊害……それは、4ターン目のお前の宣言だ。
     神埼が俺を騙していた……と」

 俺は、半信半疑……いや、ほとんど信じていないながらも、神崎の言った催眠術……
それを最悪の事態として考えていた。行動の中ではそれを頭の片隅に置いていたということ……。

カイジ「本来なら、神崎と協力して、この作戦を取るつもりだった……だが……!
     お前の宣言によって、この策は破綻……そう思った」

ルルーシュ「……!」

カイジ「だが、さっきも言ったとおり、4ターン目あたりになると、
     相手の出すカードはだいたい読める……! そこに思い至ったとき、
     俺は気づいた……5ターン目の時点で、神崎の攻撃カードは5が2枚になると!」

-----

 神埼の、4タ−ン目のカード提示前での、本来の手持ちカードは、1、2、5で、
神崎がいたのは8マス目だ。そして、ルルーシュ以外のあいつの仲間も、8マス目にいた。

 ここで分かっていたのは、神崎が6ターン目に移・攻で5を出すこと……このとき、
神崎の移動カードと攻撃カードで同じ数字があるのは5だけだったからだ。

 そして、同じように他の奴を考えてみると……このターン出てくる移動カードは、0か2。
ほとんどのやつが、5しか移・攻で共通の数字がなかったから、6ターン目にそれを出してくることから、
その考えに至った。

-----

 そして、この後どう絞るか……それは簡単だった。
 確かに、ほとんどのやつが6ターン目に5を出すだろうが……
それが出来ない人間……江藤の存在があった。

 こいつは、1ターン目に攻撃カードの5を使ってしまっているから、
6ターン目はどちらも0を出すはずだ。

 さらに、あいつらはルルーシュ以外、常に同じマスに移動している……そうなれば、
江藤だけが移動カード5をここで出すことはないから、出てくる移動カードは全員2……!

-----

 すると、あいつらは10マス目に移動することになる。

 そうなると、1つ前のターンに8マス目にいたあいつらが、攻撃カード2を出してしまうと、
自分達の中でポイントが動く……今までの様子から、ルルーシュはそれを避けていたはず……
となると、4ターン目に攻撃カード2が、神崎から出ることはない!

 よって、5ターン目の神崎の攻撃カードは、2、5が残ることになる。

 だが、実際にはその2は俺と交換していて、神崎が持っているのは、どちらも5……!
どうやっても、神崎は5ターン目、攻撃カード5しか出しようがなかった……!

 ルルーシュに催眠術をかけられていようがいなかろうが同じことっ……!

カイジ「勿論、まだ懸念事項が残っていた……それは、お前が神埼の手持ち……
     毎回毎回、自分達のカードを確認しているかもしれない、ということ……!」

ルルーシュ「……」

-----

カイジ「それをされると、神崎の手持ちの異常さに気づく……そしてお前なら、
     俺が攻撃カード2を持っていることに、考えが至るだろう……。
     だが、実際にはそれは起こらなかった!

     お前みたいな、こういう心理戦にたけているやつは、一度自分を信じたら、
     たいていそのまま進む……恐らくお前は、自分の記憶を頼りに、
     自分の仲間の出すカードを考えていたはずだ!!」

ルルーシュ「ぐ……!」

カイジ「そしてお前は、神崎達にこう指示を出したはずだ。
     ”6ターン目に同じ数字を残せ”と。
     神埼は、確かに残したさ……移・攻のカードで5を……。

     だが! 5のカードは2枚……! 6ターン目のために残そうが残すまいが、
     5ターン目に出てくるのも、結局5……5しかないんだ!」

-----

ルルーシュ「くそ……くそおおおおお! カイジいいいいいい!!」

カイジ「言い返せないところを見ると、全て図星……!
     結局お前はその程度の男だ……!」

ルルーシュ「貴様ぁ!!」

カイジ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「……!」

カイジ「俺の勝ちだ、負け犬が!!」

ルルーシュ「! ぐあああああ!!」

 ルルーシュ……お前に借りは返した……!
 後はあいつだけ……一回戦で俺をこけにした夜神月……3回戦で必ず復讐する!!

-敗者復活戦・双六ゲーム 完-


TOP

一回戦 二回戦 敗者復活戦